「奨学金550万円」女性が迷いなく満額借りた理由 夢を追う為とった「借りられるだけ借りる」戦略

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でも、教員として学生と接していると、今の学生は、借金している自覚に乏しい子が増えていると感じます。

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奨学金は支払いを先延ばしにしてもらうシステムなので、そもそも借りる時点で、計画的であることが前提のはずですが、どう返していくかまでは深く考えていない。

バイトする時間を減らして勉強の時間を捻出したり、学業に専念できない不安を解消するために利用したはずなのに、借金まみれになっていることに不満や不平を言うんです」

「好きなことへの情熱」は重要

最近の学生に思うことはいろいろとあるようだが、しかし、それでも奨学金を借りることを全否定するつもりはないようだ。

「それでも、私としては『やりたいことだから』と腹を括って大学に進んだのであれば、どんなに奨学金を借りたとしても、最終的には納得して返せると思うんです。

今、学生たちのサポートをしていて思うのは、彼らの『好きなことへの情熱』です。本当に好きなこと、やりたいことだったなら、どんなに逆境があろうが、周りに低く見られようが、やり通せると私は思います」

なんとなく大学を選んだものの、その後は明確なビジョンを持って大学院に進学し、奨学金を借りて、自分の夢を叶えた山田さん。その言葉の重みは、これまで彼女が体験したリアルがあるからこそ、深く胸に響いてくると言えそうだ。

本連載「奨学金借りたら人生こうなった」では、奨学金を返済している/返済した方からの体験談をお待ちしております。お申し込みはこちらのフォームよりお願いします。
千駄木 雄大 編集者/ライター

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せんだぎ・ゆうだい / Yudai Sendagi

編集者/ライター。1993年、福岡県生まれ。奨学金、ジャズのほか、アルコール依存症に苦しんだ経験をもとにストロング系飲料についても執筆活動中。奨学金では識者として、「Abema Prime」に出演。著書に『奨学金、借りたら人生こうなった』(扶桑社新書)。原作に『奨学金借りたら人生こうなる!?~なぜか奨学生が集まるミナミ荘~』がある。

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