「台湾人の友達の家で寝転がってテレビを見ながら、ポテトチップスをコーラで流し込んでいたんですよ。楽しくて楽しくて、『こういう暮らしをずっとしたいなあ』と冗談混じりにつぶやいたところ、ドイツからの留学生が『だったら、俺の国に来ればいいじゃん。ドイツの大学は学費がほとんどタダだから』と言ってきて、びっくりして」
今回、話を聞いたのは現在、神奈川のコンサルティング会社に勤務する吉田慎一さん(29歳・仮名)。奨学金を借りながら、都内の大学に在学中、台湾に1年間留学した経験を持つ。同氏は続ける。
「でも考えてみると、海外の大学教育というのはそんな金銭感覚なんですよね。私立はさておき、国立や公立、州立なら、学費が日本より全然安い。それを知ってから、奨学金制度には感謝の気持ちは当然ありますが、それでも『コストのかからないものであるべき』と思うようになりました」
中流家庭出身も、奨学金は必須
吉田さんは、東京大学に進む生徒を毎年輩出するような、県内屈指の進学校出身。しかし、奨学金を借りることは、彼にとって大学進学の必須条件だったという。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら