「奨学金490万円」29歳男性が感じた海外との格差 ドイツ人留学生の「俺の国は学費タダ」に衝撃

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「高校生の頃から、親からは『大学に行くのであれば奨学金を借りることになるよ』とずっと言われていたんですよ。3つ下に妹が控えていたのでその分も気になっていたのでしょうが、それでも経済的に困窮していたわけでもなく、ごく一般的な経済水準だったと思います」

吉田さんは理系で、当初は国立大学を志望したが、結果的に自宅から片道2時間以上かかる私立大学に進学することになる。

「センターの結果が全然ダメで、国立はもとより、早稲田や明治もダメだったので、第5希望ぐらいの、本当は行く気もまったくなかった大学に進みました。当時は将来についてあまり深く考えてなくて、でも浪人する気にもなれなかったので、そのまま現役で進んだんです」

思い描いた進路ではなかったが、吉田さんは両親に入学金を払ってもらい、学費は奨学金で賄うことに。予約採用で第二種奨学金(有利子)を毎月12万円、大学在籍中に総額490万円程度借りることになる。

予想とは違う大学生活に

しかし、学生生活は当初、鬱屈したものとなった。

「大学と言っても、1年生の時は高校で学んだ物理や数学をイチから学び直すカリキュラムで、はっきり言えばレベルの低い講義ばかりでした。当時は『なんでこんな大学に通っているんだろう?』という劣等感を抱いていましたね」

高い学費を奨学金から払っているので、渋々片道2時間かけながら大学に通う毎日だったが、ある時、転機が訪れる。

「2年生になった頃、大学のキャリアセンターが主催する学内TOEIC講座に申し込んだのですが、そこの講師の授業が面白くて、実際に点数も400点台から600点台まで伸びたんですよね。そこから『英語を実際に使ってみたい』と思うようになりました。

その後、大学に長期留学の制度があることを知り、『奨学金を借りて高い学費を払っているのに、レベルの低い講義を受けなくちゃならないなら留学して元を取ってやれ!』と決意したんです」

受験自体は失敗したものの、県内随一の進学校出身であることが示すように、もともとのポテンシャルは高かった吉田さん。ここから一気に前向きになっていく。

「姉妹校は世界各国にあり、当初はアメリカやカナダなどの英語圏に行きたかったのですが、そういう国々はこぞって学費が高いんですね。奨学金を借りている身ですし、生活費のことも考えて、台湾の国立大学を志望しました。

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