「うちの子は才能がない」と言う見る目のない親へ 34年の指導で見つけた「才能を伸ばす3原則」

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教育の専門家の方たちと話をすると、次のような話がよく出てきます。

「成績を上げることやテストで点数を取らせることは簡単。効果が出るやり方があるので、そのやり方を教え、実践してもらえばいい。でも、その子の持っている才能を引き出すことは難しい。なぜなら、親が逆のことをやってしまうので、引き出しても、すぐに戻されてしまう」

才能とは、その子らしさと言ってもいいかもしれません。その子特有の個性、長所と言い換えてもいいでしょう。勉強ができるということも才能の一部かもしれませんが、才能とは本来はもっと広義にわたるものです。

その才能が発揮されると、子どもの自己肯定感も上がっていきます。すると、勉強するときでも、モチベーションがまったく変わります。目先の成績や点数を追う前に、家庭では子どもの才能を伸ばすという視点を優先してみることをお勧めします。

子どもの才能を伸ばす、とくに重要な3つの原則

そこで、筆者が34年間の子どもたちへの指導を通じて発見した「子どもの才能を伸ばす3つの原則」についてお話しします。多数ありますが、とくに重要な3つに絞りました。

(1) 誰でも「固有の才能」を持っていると信じる

前述したように、才能とは勉強ができる、芸術的才能があるなど狭義に捉えたものだけではありません。「すぐに人と友達になることができる」「周囲を気遣うことができる」「本を没頭して読むことができる」「ゲームを器用にやる」「元気に挨拶ができる」「空気を読む」「大人を振り回すぐらいエネルギッシュに行動する」など、さまざまあります。これらはすべて一種の才能と筆者は考えています。

これらは一見、才能とは感じにくいことだと思います。しかし、これらにフォーカスすることで、才能の原型から芽を出し、“花”を咲かせていきます。

例えば、こういう事例があります。

ある親御さんは自分が音楽をやってきたので、子どもにも音楽をやらせようと思い小さい頃からバイオリンを習わせていました。しかし、子どもは積極的に練習することもなく、親にしょっちゅう怒られながら練習をすることになりました。やがて、子どもはバイオリンをやめたいと言いましたが、親が許しません。音楽ができる自分の子どもだから、才能があるはずだと思っていたようです。

その後、その子はバイオリンのレッスンの日になるとお腹が痛くなり、動けなくなりました。仕方なくバイオリンをやめて、ピアノをやらせることにしました。しかし、子どもは音楽そのものを嫌うようになっており、ピアノも続くことはありませんでした。さらに、音楽以外の活動に対してもモチベーションが下がり、勉強もしなくなってしまいました。

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