生涯未婚率「学歴」だけでこうも違う過酷な現実 親の所得低いほど子の未婚率が高いという衝撃

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男性の30~40代、女性の50代に関しては、親が低所得である人の未婚率が明らかに抜きんでて高いことがわかります。なぜそうなるかといえば、「親の所得で子の学歴が決まる→学歴で子の就職先が決まる→就職先で年収が決まる→低年収では結婚できない」という流れになるからです。

高卒男性の未婚率が上昇している背景には、こうした「目に見えない世襲格差」があるのでしょう。

経済構造上の問題が未婚化という形で顕在化

格差の話題では男女格差が取り沙汰されますが、性別以前にそうした親の環境による世帯格差も考えなければならない社会課題だと思います。

「結果の平等」はないが「機会の平等」はあるという人がいます。本当でしょうか?

機会すら与えられない子どもたちは現実に多くいます。進学したくてもできない、やりたい仕事にもつけない、結婚したくてもできない、そうした声にならない叫びが埋(うず)もれているのです。

未婚化や非婚化の問題を、「若者が草食化したからだ」という価値観の問題だけに矮小化してしまうと本質的な問題を見失います。視野を広げ、視座を変えれば、違った視点で見えてくることがあります。2世代にわたって、50年前からくすぶっていた経済構造上の問題が今まさに未婚化という形で顕在化しているとは言えないでしょうか。

荒川 和久 独身研究家、コラムニスト

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あらかわ かずひさ / Kazuhisa Arakawa

ソロ社会および独身男女の行動や消費を研究する独身生活者研究の第一人者として、テレビ・ラジオ・新聞・雑誌・Webメディアなどに多数出演。著書に『「居場所がない」人たち』(小学館新書)、『知らないとヤバい ソロ社会マーケティングの本質』(ぱる出版)、『「一人で生きる」が当たり前になる社会』(ディスカヴァー携書)(ディスカヴァー携書)、『結婚滅亡』(あさ出版)、『ソロエコノミーの襲来』(ワニブックスPLUS新書)、『超ソロ社会』(PHP新書)、がある。

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