これを見ると一目瞭然ですが、男女で大きく異なります。
まず、男性の場合は、高卒以下と大卒以上が正反対の傾向となっています。つまり、大卒以上の学歴の男性は全体平均よりも低い未婚率で、結婚しやすい境遇であることがわかります。
特に、30代においては、高卒以下の男性は大幅に未婚率が高いのに対し、大卒以上は平均を上回る既婚率となります。これを見る限り、高卒以下の男性が結婚したいのであれば、20代の頃に結婚しておかないとなかなか難しくなるようです。
一方、女性では、高卒以下とそれ以外とで正反対になります。男性同様、高卒以下と大卒以上は対照的ですが、その向きは男性とは逆です。高卒以下の女性の場合、20代での既婚率が高く、30代でいったん苦戦するものの、生涯未婚率である50歳以上はおおむね全体平均以下の未婚率に収まっています。
大卒以上の女性は、ほぼすべての年代で平均以上の未婚率であり、本来最も女性の初婚数が多い29歳までの年齢において、大卒女性はむしろ最も未婚率が高い状態となってしまいます。
深刻なのは高卒以下の男性の未婚率
これだけを見てしまうと、「大学に進学した女性は結婚できなくなる」と考えがちです。確かに、生涯未婚率対象年齢で比較すれば、高卒以下や短大卒に比べて大卒以上女性の未婚率は高い。しかし、経年推移でみると、大卒だけが未婚率が上昇しているわけではありません。
それよりも、深刻なのは高卒以下の男性の未婚率が高いことです。男性の未婚率は2020年には28%(不詳補完値)とほぼ「3人に1人は生涯未婚」という状況になっていますが、それらは高卒以下の男性の未婚化の影響が大きいといえるでしょう。
言い方をかえると、大卒でそこそこの企業に就職して一定額以上の年収を確保できた男性は結婚することができましたが、この30年も続く不景気の中で年収を増やすことができなかった高卒男性が未婚のまま取り残されたという見方もできるでしょう。
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