上司から「飲み会に呼ばれるだけの人」の大誤解 可愛がられているから大丈夫と思っていると…
かといって、先輩や上司と友好的な関係を築くに越したことはありません。僕がいつも意識しているのは、「自分が一番バカになる」ことです。
僕は東京で芸人仕事だけでは食べられなかったとき、しばらく大工さんをしていました。テレビ局のセットをつくる仕事が入り、千鳥の大悟に会ってしまったときには本当に凹みましたが(それからテレビ局の仕事は断りました)、イベントの設営などはほぼ毎日のように現場に出ていました。
「間違っている」とは指摘しない
でも、ときどき現場で、組み立てる以前の木材が間違っていることがあるのです。人がやっている仕事ですから、間違いは起きるものです。そんな時に居丈高に「これ、図面と違います!」なんて指摘すると、現場はピキーッと凍ります。僕の立場は、現場を受注した会社から呼ばれた派遣の大工なのです。間違いの指摘なんて、たとえ事実でも僕が言うべきセリフではありません。
そこで、「あれ?これ、僕付けられませんわ、どうしたら……」というようにバカになって聞くと、「なんで?あ!ごめん、ごめん、これ角度材が逆についてるわ」とミスに気づいてもらえます。僕が指摘しなくてすむのです。
先輩が直してくれた後も、「ですよね」なんて絶対に言いません。「あ、そうなんですか?」と返事しておけば、現場は本当にうまく回ります。
大工の頃は、新人が入ってくるたびに人の間違いを堂々と指摘するのを止めなければなりませんでした。「これ、間違えてますわー!」って気持ちよく言った後、どうすんねん?この空気の中で仕事すんのか?しかもお前はそれを直せるのか?結局直してもらわないとできないんだから、偉そうに指摘だけするな!というわけです。
吉本興業はとくに先輩と後輩の関係がきっちりしていますが、僕はそれだけではなく、1年でもこの業界が長い人の言うことは甘く見てはいけないと思っています。もちろん、先輩の言うことがすべて正しいとは思っていません。なによりお説教は嫌いです。お説教する先輩から逃げ回っていた時期もあります。
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