上司から「飲み会に呼ばれるだけの人」の大誤解 可愛がられているから大丈夫と思っていると…

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お笑い好きな人の中には、「売れている先輩ともっと仲良くしてもらえばいいじゃん」とアドバイスをくれる人もいます。たしかに先輩たちの中には「こいつ、面白いんですよ」とスタッフに紹介してくれる人もいますし、エピソードトークに後輩を登場させてテレビで面白く話してくれる人もいます。

ただし、そこから芸人として売れていくのは、本当の実力者のみ。売れっ子の先輩が売れてない後輩を可愛がるときには、「こいつはおもろいなあ」と思っているときと、「こいつは呼んだら来よる。でも全然おもろない」というときがあるのです。

後者の場合は、芸人として認めているというより、遊び相手として見ているということです。そういう後輩になってしまえば、どれだけプライベートでご一緒できようとも、人間関係として深く付き合っていただけようとも、仕事には呼ばれません。面白くない奴を仕事に呼んでおいて、番組がつまらなくなったら仕事として成立しないからです。

お笑いはやっぱり「面白い」が一番です。先輩といくら仲良くなってもチャンスが増えるわけではありません。実力があってこその仕事であり、そこは本当にクリーンな世界だと思います。

飲みの席は大切だけどすべてじゃない

僕には山形に来て会社員の友だちもたくさんできましたが、実力がある人が評価されていくのは会社でも同じようですね。上司に気に入られてよく飲みに連れて行ってもらっていても、それが理由で仕事を任せられることはないとか。

飲みの席というのは、ちょっとした感覚や、モノの考え方が自然と伝わる場所。そこで、「こいつの感覚はいいな」とか「気が利くし、よく人を見ているな」というようなことを知ってもらうのはいいのですが、ただ仲がいいというだけでプロジェクトを任せられるほど甘くないそうで、シビアなのはお笑いと同じだと感じます。

仕事で上手くいっている人を見ると、「あいつは上司に媚びたからだ」なんて言いたくもなりますが、違います。きっとそれは本人の実力です。

上司や先輩に媚びても、未来は変わらない。結局、実力をつけて、呼ばれたときに全力で成果を出せるよう自分を鍛えておくしかないんだと思うと、やっぱり世間は案外、公平にできていると感じます。

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