25歳陰キャ青年が「孤独研究」で37万人登録の訳 ASDゆえ到達できた「自分を変えない」生存戦略
もしそれがわかっていれば、教師側でペアを指定したり、『前後の2人で』というふうに機械的にペアにさせることもできるはず。大学の教育学部のようなところでは、こうした自由にペアを組ませるような対応は、タブーだと指導していってほしいと考えています」
ただ、喉元過ぎれば熱さを忘れるという言葉があるように、子供時代の苦悩や孤独を大人は忘れてしまいがちだ。現在25歳の田中氏でさえ、今回の書籍は「忘れかけてることをなんとか書いた」とのことで、子供の感覚に即した配慮がいかに難しいことかがよくわかる。
そういう意味では、冒頭で触れた、国による孤独・孤立対策についても、田中氏としてはやや的外れに感じてしまうようだ。
「内閣官房のHPには『あなたはひとりじゃない』『あなたのための支援があります』といった言葉が並んでいますが、たぶん、今孤独を感じている子供たちは『そう言われても……』『相談しても解決しないだろうな』って感じると思うんですよ。
現実的にクラス内などのコミュニティにまで介入してくるわけではないだろうし、『人工的な配慮』で作られた人間関係は、それはそれで違うと感じるものですからね。
また、『あなたはひとりじゃない』だと一方通行だから、もっと双方向的な場があったらいいなと思います。たとえば僕の視聴者の中には、僕をフックにして仲良くなっている人がいるんですけど、みんな共通の問題意識を抱えていて、共通のゴールで集まっているんですよね。
いい影響を与えられたなら僕にとっても嬉しいし、『ずっと陰湿なままじゃなくてよかったな』という気持ちもあります。コメント欄に『女なんて……』と書き込んでいた人が、大学に入って友達ができてすごく明るくなって、『恋愛ってすごい素敵なのだと思う』って書き込んできたりするんです。そういう双方向的な場所は、キャラ的に難しいなと思う反面、潜在意識的には作りたい気持ちもありますね」
孤独だった高校・大学時代を経たからこそ、現在進行形で孤独に悩む学生たちに(本人的には無自覚なようだが)寄り添うことができている田中氏。その一方で、「孤独は最強の筋トレだった」という言葉に深く共感する大人も少なくないだろう。
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