半年で1万品目!怒濤の食品値上げ「5つの対抗策」 黒田総裁「家計が値上げを許容」発言でも騒然

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直売所やさまざまなECサイトを利用する

4 中間マージンがかからないところで買う

これまた当然だが、メーカーから商品がわれわれ消費者に届くまでに中間業者が挟まれば挟まるほどマージンが発生し、そのぶん価格が上乗せされていく。

住んでいる環境が許せばだが、野菜なら生産者が品物を収める直売所で買うほうが安いし、加工品類は工場直売のアウトレット品がお買い得だ。

首都圏近郊でも生産者が出品する直売所はそこそこあるし、ロードサイドの道の駅に併設されていることも多い。そういうところではスーパーに並ばない規格外の野菜がお手頃価格で買える。

春先に玉ねぎの高騰が問題になったが、筆者もレジャーついでに三浦半島の直売所で玉ねぎのまとめ買いをした。季節によって並ぶ野菜はまちまちだが、取れたての地物をお手頃価格で買えるのはありがたい。

オンラインを通じて生産者から買い付ける方法もある。メルカリグループの株式会社ソウゾウは、生産者がメルカリ上で商品を販売できる「メルカリShops」サービスを提供しているが、この食品高騰でメルカリShopsでの食品購入が注目されているという。

アンケートでは、物価上昇でメルカリでの「野菜」「果物」の購入が増えるだろうと答えるユーザーも。生産者から直接購入する場合は、購入できる分量や届くタイミングに縛りはあるが、割安に買える手段の1つと言えるだろう。

5 ふるさと納税やフードロス削減ECサイトも利用

返礼品として届く食品を目当てに、ふるさと納税を利用している人も多いだろう。肉や野菜のほかにも、調味料にレトルト食品、ジュースやアルコールなども多い。これから値上げが予定されているビールを返礼品にしている自治体もいくつかあり、筆者も毎年寄付をしてお礼にビールを受け取っている。自宅まで届くのもありがたい。

また、フードロス削減目的に、パッケージが古くなったり、賞味期限までの時間が短い商品をお買い得価格で販売するECサイトを幾度か紹介してきたが、お中元に送るような箱ギフトがそのまま買えることもある。とくに、今後も値上げが続きそうな家庭用油の詰め合わせは狙い目だ。また、夏に向かって麺類の見切り品も増えてくると思われる。

こうしたフードロス削減サイトは、賞味期限が迫っているものも含まれているが、商品の概要欄に必ず期限の表記がある。中には1年以上先というものもあり、急いで食べきらないといけないものばかりではない。期限を確認のうえ、ムダにしないよう有効に利用したい。

松崎 のり子 消費経済ジャーナリスト

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まつざき のりこ / Noriko Matsuzaki

20年以上にわたり『レタスクラブ』『レタスクラブお金の本』『マネープラス』などのマネー記事を取材・編集。家電は買ったことがなく(すべて誕生日にプレゼントしてもらう)、食卓はつねに白いものメイン(モヤシ、ちくわなど)。「貯めるのが好きなわけではない、使うのが嫌いなだけ」というモットーも手伝い、5年間で1000万円の貯蓄をラクラク達成。「節約愛好家 激★やす子」のペンネームで節約アイデアも研究・紹介している。著書に『お金の常識が変わる 貯まる技術』(総合法令出版)、『「3足1000円」の靴下を買う人は一生お金が貯まらない』(講談社)、『定年後でもちゃっかり増えるお金術』(講談社)。
【消費経済リサーチルーム】

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