最近、毎日いやというほど聞かされる「値上げ」という単語。二重三重に膨らんだコストに押された企業は音を上げ、「価格改定のお知らせ」を頻発している。
帝国データバンクが行った調査によると、主要食品メーカーで5月末までに累計1万789品目で値上げの計画があり、半年間でなんと1万品目を超えたという。
6月以降に予定されているものをざっと見るだけでも、パン、食用油、カップ麺、ソース、カレールウ、スナック菓子類、アイスクリーム、ペットボトル飲料、ワイン・焼酎・ビールなど、必需品から嗜好品まですさまじい品目数だ。
先の帝国データバンクの調査では、各値上げ品目の価格改定率は平均で13%に達している。われわれの食費上昇率は、10%は覚悟したほうがよさそうだ。
そこにきて日銀・黒田総裁が「家計が値上げを許容している」発言をしたものだから、大騒ぎだ。そもそも発言の根拠となった調査結果を読めば決してそうではないとわかる。「商品の値段が10%上がっても、そのまま買い続ける」という人が増えたというが、それより「その店で買い続けるが、買う量を減らしたり、頻度を減らして節約する」という人の割合が、2021年よりもぐんと増えているのだ。我々は生活防衛に必死なのである。
筆者はこれまでも、あの手この手で対抗策を書いてきたが、今の現状を見つつ、少しでもオトクなもの・安いものを探す方法についてまとめてみよう。
今までは選ばなかった商品がオトク
各食品メーカーが、すべての商品を値上げするかというとそうでもない。あるスーパーで聞いた話では、「手ごろな価格で、よく売れるもの」が値上げされる動きが目立つそうだ。考えてみると当然で、あまり売れない商品を上げても利益には寄与しない。普段利用しているスーパーを見ても、これまで価格が割安に感じたものほど上がっている印象だ。
価格にこだわる消費者なら、ブランドではなく最安値のものから選ぶ。となると、これまでは最安でなかったからと手を出さなかったブランドが据え置きのままになっていることもある。
筆者の例だが、よく買っていた麺類の棚を見ると、値上げしているものとそうでないものが混在していた。その中でも最安だったものは値上げになっていたが、それより若干高いブランドは据え置きだったため、結果ほとんど価格差がなくなっていた。しかも、据え置きだったブランドのほうが、よく見ると内容量が多い。今なら、こちらを選ぶほうがオトクということになる。
味やブランドにこだわりがないなら、これまで高いと思っていた商品の方が価格据え置きで、実は割安になっているかも――そういう目でオトク商品を探してはどうだろう。
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