この先の物価高が心配な人に伝えたい7つの心得 給料が増えない中で支出減、収入増ができるか

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節約、資産形成、副収入…インフレ時代の「生活防衛術」を考えます(写真:maroke/PIXTA)

気候変動、パンデミック、ロシアによるウクライナ侵攻などなど、世界的な規模で起きた要因でモノやサービスの価格が上がる「インフレ」が蔓延している。加えて日本では、「円安=輸入物価の上昇」という特有のリスクによってもインフレが進行しつつある。

インフレの番人である日本銀行の黒田東彦総裁はインフレを抑えるために円安を回避する政策を採る意思がないことを明確にしている。つまり、このインフレは長期的なもの、構造的なものとして準備していく必要がある。

インフレは、お金持ちにとってはそれほど大きな問題ではないが、ギリギリの生活をしている人には重大かつ深刻な問題だ。これまで、日本経済は長期にわたってモノやサービスの価格が下がるデフレ経済に悩まされてきたが、ここにきてインフレの時代を迎えることになる。インフレに対応する方法がよくわからない、という人も少なくないはずだ。インフレに打ち勝つためのノウハウについて考えてみたい。

賃金上昇が望めない中でのインフレ?

今回のインフレの最大の特徴は、気候変動や感染症拡大、そしてウクライナ戦争といった具合に、通常のインフレとは異なる構造的なものが要因になっていることだ。そのために、原油価格や食料品価格、物流コストといった、人間が生活水準を保つために不可欠な物資が値上がりする傾向が強い。

1970年代の日本の高度経済成長時代に起きた経済成長に伴うインフレと違って、賃金の上昇が伴わない物価上昇ともいえる。賃金の上昇が伴わないインフレは極めて厄介で、国民生活を大きく圧迫する恐れがある。たとえば、日本が高度経済成長時代だった1970年の消費者物価指数は31.5(総務省統計局調べ)、それが1980年には74.5(同)となり、10年で物価が2.36倍になったことがわかる。

一方で、人々の賃金も上昇していて、1970年の平均月収11万2949円(総務省統計局家計調査、世帯実収入)は、10年後の1980年には34万9686円(同)になっている。実収入は3倍も上昇した。これが経済成長を伴ったインフレの姿だ。

しかし、現在の構造的なインフレは経済成長を伴わないインフレ、あるいは景気後退と物価高が同時に襲う「スタグフレーション」に陥る可能性が高い。とりわけ、資源を輸入に頼り、食料依存率もOECD加盟38カ国中32位に低迷してきた日本は、極めてインフレに弱い体質になっている。

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