株価の乱高下はそろそろ終了に向かうと読むワケ 主要国の株価は年末に向けて次第に上昇へ
このところ、当コラムでは株価のみならず、債券価格や外為市況を含めて、世界市場の短期的な騒ぎについて、述べる機会が増えている。ただ、筆者の基本観はまったく変わっていない。
前回のコラム「米国株式市場の『金利騒ぎ』はもうたくさんだ」でも、次のように書いた。
「市場は騒ぐのが『商売』という点もあり、今後も短期的には、金利が上がろうと下がろうと株価がでたらめに上下動し、それに無理やり金利面からの理屈を後付けする、ということが続くだろう。したがって、当面はドタバタとした相場つきに陥ると達観し、ゆったりと投資することが肝要だと考える。嘆いても仕方がない」
またもやFOMCをめぐって繰り返された「ドタバタ劇」
とくに先週のアメリカ市場は、文字どおりドタバタだった。ドタバタという言葉を使っているのは、単に市況が大きく上下動したことだけをいっているのではなく、市況が動いた背景要因として説明されている内容もめちゃくちゃだった、という点を含めている。
市況の上下動を引き起こした本質とは言いがたいと考えるが、売買の「ネタ」とされたのは、5月3〜4日のFOMC(連邦公開市場委員会)だった。ここで同国の連銀は、0.5%の追加利上げを行うとともに、6月からQT(量的引き締め)、すなわち保有債券の残高を減らしていくことを実施することも決定した。
FOMC後の記者会見では、ジェローム・パウエル議長が「0.75%の利上げについては今後もしばらく検討対象ではない」という趣旨の発言をしたことで、「0.5%ずつの利上げ幅が当面続く」との観測が市場に広がった。
追加利上げやQTの決定はすでに市場で織り込まれていたと推察され、同時に0.75%幅の利上げがいつか行われるとの懸念が薄らいだため、FOMCを受けた4日には、NY(ニューヨーク)ダウは前日比で932ドル(2.8%)上昇し、ナスダック総合指数も同3.2%上振れした。10年国債は買われて、利回りは3.0%から2.9%に若干低下し、ドルの対円相場も1ドル=130円前後から129円割れに下押しする展開となった。
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