株価の乱高下はそろそろ終了に向かうと読むワケ 主要国の株価は年末に向けて次第に上昇へ
当コラムの読者の中には、「馬渕さんは過去の市況動向の背景要因をしつこく議論しているが、それが何の役に立つのか、それで将来の投資収益の足しになるのか」と、お怒りの方もおられるだろう。
だが過去、いったいどういった要因が市況を動かしたのか、本質的な要因は何だったのかを分析することは、その考察に基づけば将来何が起こりそうかを展望する、重要な基盤となる。
例えばアメリカの長期金利の上下動が世界株価を左右する最大で本質的な要因であれば、先行きの金利低下が株価上昇を招くなどと予測でき、それに従って投資戦略を立案できる。
短期の市場動向予測は不可能
筆者の見立てが正しく、現在の世界市場が、心理の振れやポジションの投げによる売買で、根拠なくでたらめに上下動しているだけだとすれば、当面はでたらめに市況が振れるだろう。つまり、短期的な市場動向はまったく予想できないということを、自信を持って予想できる。
「短期の市況動向はまったくわからないと開き直っているのか。やはり、このコラムは役立たずだ」とのお叱りも受けるだろう。ただ、目先の市況動向が極めて不透明だということを踏まえれば、特定の金融資産に思いっきり大きな資金を賭けて、短期的に手っ取り早く大儲けを狙うという投資手法は、少なくとも現局面では極めて危険だ。
もし短期売買を中心としたいのであれば、いかに傷みが少ない時点で手じまうかのポジション管理が肝要だという点を、このコラムをお読みになった投資家はしっかりと意識できるだろう。
日本市場は週半ばの3日から5日まで休場であったが、その間のアメリカの株価が大きく上振れしたあと大きく下落したので、結局、日本株は2日に比べて6日は小じっかりとして終わった。
日本が連休中でも、世界株価の上下動を利用して売買を行える金融商品はとても多いが(各種CFD、差金決済取引など)、「4日のアメリカ株の高値で思いっきり買いに行って、5日の安値で思いっきり損切りをしてしまった。こんなことなら、日本株の現物だけを、連休をまたいでじっと持ち続けているだけにしたほうがよかった」と頭を抱えている投資家がいないことを、心から祈るばかりだ。
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