場合によっては、副業から有利な転職が可能になるかもしれない。そのまま独立、起業という可能性も出てくる。1つの企業に縛られて、定年退職まで生きる、という日本独特の価値観は世界的には稀有な存在だ。収入増のために転職ではなく、あくまでも自分のスキルアップのためという意識が大切だが、転職や起業もインフレ対応策の1つではある。
資産運用によるインフレ対応は可能なのか?
日本はこれまでモノの値段が下がるデフレに悩まされてきた。その反面で、お金の価値がいつまでたっても目減りしない恩恵にもあずかってきた。現金を銀行に預けるだけでお金の価値が上がっていく時代だったわけだ。
しかし、インフレ時代になるとそうはいかない。せっせと預金したお金も、徐々に目減りしていくことになる。年10%のインフレが押し寄せるような時代になれば、預貯金はあっという間に目減りしていくことになる。
そこでクローズアップされるのが「資産運用」だ。簡単に言うと「リスクを取って、リターンを稼ぐ」こと。デフレの時代にはリスクを取らなくてもよかったが、インフレはそうはいかない。リスクを恐れずに投資しないと、資産は減少し稼ぐこともできない。
実際の運用方法は、金融庁のホームページ等にも詳しく掲載されており、学校教育でもこの4月から金融リテラシーのカリキュラムが始まっている。年金生活者のように収入の急激な増加が望めない人はもちろん、子育て世代の若い人でもインフレ時代に合った資産運用が必要だ。何もリスクを取らない人はいつまで経ってもお金は貯まっていかない。
資産運用といっても、基本的には国内外の企業に投資する「株式投資」、国債などの債券に投資する「債券投資」、そして運用のプロに任せる「投資信託」の3つが代表的なもので、投資信託には市場の流れに連動する「インデックスファンド」、ファンドマネージャーの個人的な力量に任せる「アクティブファンド」の2つに分かれる。
最近は、金融商品以外にも「暗号資産」のほか、株式市場を使って原油や小麦に投資ができる「ETF」、為替変動を利用して稼ぐ「FX」などなど、さまざまな商品がそろっている。ウクライナ戦争によって、原油価格や小麦の価格が急騰しているが、それらの商品に少ない金額から投資することも可能だ。
失敗しても取り返せる範囲から始めるのが成功するコツだ。証拠金取引や信用取引といったレバレッジをかける運用法は運用のプロでもしばしば失敗する。インフレ時代は、「知らなかった」「リスクを取るのは嫌」という言い訳が通用しない。自己責任が厳しく問われる社会になるからだ。
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