「彼は運がいいだけ」と笑う人が成功できない理由 サステナブル経営を創るセレンディピティ戦略
日本はオープンマインドではありませんし、リーダーが弱みをさらけ出すことなどもありません。大学でも、ミドリムシについて本当に詳しくよく知っている先生はなかなかいません。前提として、「大学教授なのだから知っているはずだ」となるし、大学教授が自ら「実はそれほど知らないので教えてください」などと、「弱みを見せて」切り出すことが難しいのです。
誰もが「初心者」としてスタートラインに
日本人は、「絶対に失敗しない」ということに執着しすぎて、セレンディピティを高めることに最も失敗した国だと私は思っています。
高度経済成長時代の成功体験が大きすぎて、「以前と同じことをやっていれば、社会が復活するだろう」と思い込んでいるかもしれませんね。社会全体にも、セレンディピティが必要ということです。
高度経済成長期には、目指すところははっきりしていて、団結力や集中力を発揮させる硬直的な人事システムがうまく機能しました。しかし、戦後70年が過ぎ、日本はこれから社会が新しくなり、個人としても新しい人生をスタートする時代に入ります。
今は、サステナブルな時代への転換点にいます。天動説から地動説へ、コペルニクス的な転換が起きるときは、誰もが「初心者」としてスタートラインに立つことになるでしょう。
この新しい時代の序盤にこそ、セレンディピティ・マインドセットが大切だと私は痛感しています。かつて著しい成長を遂げたホンダ、ソニーなどを率いた、偉大な経営者はみなさんそれをお持ちでした。組織が大きくなればなるほど、セレンディピティとは遠ざかりますから、リーダーは大変でしょうけれども、私も含め頑張らないといけない時だと思います。
そして、特に、ミレニアル世代、Z世代の若者たちは、ぜひ本書を読んでほしいと思っています。これまで「偶然かな」とか「運だな」と思っていたことに意味づけをして、残りの未来を加速度的に良くしてほしい。
私の著書である『サステナブルビジネス』にも書きましたが、まもなく世代交代が起きて、若者の意思決定が日本や世界を動かすようになります。私はそのことに強い期待を抱いています。
本書は、最高の人生を送るのにふさわしい羅針盤になってくれると思いますし、最高の人生に踏み出す、今がまさにベストタイミングだと感じています。
(構成 泉美木蘭)
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