「彼は運がいいだけ」と笑う人が成功できない理由 サステナブル経営を創るセレンディピティ戦略

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幸運を賢く手繰り寄せる方法

成功している人は、セレンディピティを上手に活用しています。

予想外の出来事が起きた時、それは変化のトリガー(きっかけ)だと気づき、受け止め、一見無関係に見えた点と点をつなげていくことでセレンディピティに至る。それができるようになるための「マインドセット」があり、鍛えることができるというのが本書の主張です。

もちろん、運は運としてありますが、それは最初のステップにすぎない。その最初のステップを幸運につなげていくプロセスが大事で、著者はセレンディピティを「スマートラック(賢く手繰り寄せる幸運)」とも表現しています。

ではどうすれば「スマートラック」を手にできるのか。これまでは科学的な説明はなされていませんでした。

ブッシュ氏はそこを研究し、再現可能なワークアウトとして紹介しています。セレンディピティは、手順を踏んで高めることができる。従来思われていたような、単なる運や偶然ではなかったわけです。

私自身、各章の終わりにまとめられているワークアウトに取り組んでいけば、もっといい人生になるという共感と確信があります。ですのでさっそく、私もまだやったことのなかったワークに、トライしているところです。

■ミッション・ビジョン・バリューより「北極星」

本書は、経営者にも役立ちます。スタートアップの教科書の多くには、経営の方針として大事なのは「ミッション・ビジョン・バリュー」だと書かれています。

ロジカルに説明しようとするとそうなるのかもしれませんが、一方で、本書では「ポラリス(北極星)」が重要とされています。

本書では、食品メーカーであるダノンの前CEOのエマニュエル・ファベール(現ISSB議長)が事例として取り上げられています。私はファベール氏とは友人なので、これには驚きました。

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