中国で「韓国ブランド車」の存在感が急低下の訳 1~3月期の販売台数4割減、EVシフトに出遅れ

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中国市場での韓国系ブランド車の販売台数は2016年をピークに減り続けている(写真は北京現代汽車のウェブサイトより)

中国の自動車市場で、韓国系ブランド車の存在感が急低下している。韓国の通信社の聯合ニュースが報じた韓国自動車産業協会のデータによれば、中国市場における2022年1~3月期の韓国系ブランド車の販売台数は9万4000台と、前年同期比39.3%も減少した。

韓国系ブランド車はかつては価格性能比の高さが評価され、中国市場で高い人気を誇った。だが、代表的な韓国系ブランドである現代自動車(ヒョンデ)と起亜自動車(キア)の中国合弁会社の販売台数は、2016年をピークにずっと下がり続けている。

背景には(性能や品質を高めた)中国の独自ブランド車の攻勢に加えて、日系ブランドやドイツ系ブランドもエントリークラスの乗用車の品揃えを充実させたことがある。韓国系ブランド車は価格性能比の優位が薄まり、市場での「生存空間」が狭まってしまった。

それだけではない。最近の深刻な販売不振の原因は、EV(電気自動車)に代表される「新エネルギー車」の投入の遅れにある。

(訳注:新エネルギー車は中国独自の定義で、EV、燃料電池車[FCV]、プラグインハイブリッド車[PHV]の3種類を指す。通常のハイブリッド車[HV]は含まれない)

「中国市場では技術的優位なし」

「韓国メーカーは動きが遅すぎる。ヒョンデの中国市場向けEVの第1号モデルが量産に入るのは2023年の後半だ」。中国の国有自動車大手の北京汽車集団とヒョンデの合弁会社である北京現代汽車の関係者は、そう焦りを隠さない。

ドイツのフォルクスワーゲン(VW)は、すでに2020年11月に中国市場向けEVを発売している。ドイツ勢に比べて動きの遅さが指摘される日本メーカーも、2022年4月にトヨタ、ホンダ、日産の大手3社が相次いで中国市場向けEVを発表し、巻き返しに転じた。

中国の自動車市場の足元では、新エネルギー車の販売台数が急速に伸びると同時に、エンジン車の退潮が鮮明になっている。中国汽車工業協会のデータによれば、2022年1月から4月までの新エネルギー車の累計販売台数は前年同期の2倍超の155万6000台に達した。一方、同じ期間のエンジン車の販売台数は554万2000台にとどまり、前年同期比26.6%減少した。

本記事は「財新」の提供記事です

そんななかで、韓国系ブランド車の地盤沈下を食い止めるのは容易ではなさそうだ。財新記者の取材に応じたキアの関係者は、現時点ではEVを中国で現地生産する計画がないことを明かし、その背景を次のように語った。

「韓国メーカー(のEV)は中国以外の市場ではまだ技術的な優位があるが、中国市場ではもうない」

(財新記者:余聡)
※原文の配信は5月23日

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