逆境を力に変えてきた
与えられた環境で、力を発揮し、夢をかなえるためには何をすればいいか――。その最適解を考え、行動する力は、子ども時代から鍛えられてきた。
「実家は東京の下町で、あまり裕福ではありませんでした。おまけに4人兄弟のいちばん上で、なるべくお金をかけず、早くから独立することを求められていました」
自ら中学受験を希望し、小5の後半から必要最低限だけ塾に通わせてもらった。進学先として選んだのは金銭的負担の少ない国立の筑波大学附属中学。そのまま高校に上がったが、高校生からはお小遣いなしとなったため、中学卒業後すぐ家庭教師のアルバイトを始めた。
中学入試のノウハウがあったのでバイトは順調だったが、問題は大学進学。学費の捻出をどうするかはもちろん、子どもたちの成長で実家は手狭になっており、高校を卒業したら家を出て、1人暮らしをする約束だった。
公立の大学なら、と思ったが、調べるとまったくお金がかからないわけではない。いろいろと思案した結果、私立大学に特待生として入学し、学費を免除してもらうのがいちばんお金のかからない道だと気づいた。「特待生を確実に狙える大学を選んで受験しました。無事に授業料は免除になり、目いっぱいアルバイトをすれば親に頼らず、1人暮らしを成り立たせるメドがつきました」。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら