中でも関心を持ったのは仏教だ。「およそ1500年も前から伝わる仏教は、この先、どのような社会になっても消えてなくならないと思います。日本人なら誰でも手を合わせて拝む習慣がありますし、仏教について学ばないのは日本人として損な気がしました」。
そこで浄土真宗本山東本願寺(京都市)の講師から仏教について教わる『学び舎(まなびや)』で、僧侶を目指すコースに通い始めた。それからおよそ1年かけて初等科の過程を修了し、現在は中等科へ。そして6月には、いよいよ出家の儀式「得度(とくど)」に臨む。
今後、「中小企業診断士×IT×僧侶」という掛け合わせができれば、後継者不足や檀家減少など寺院の抱える悩みを解決する存在にもなっていけるだろう。それは、林さん以外、誰も持ちえない肩書、そして強みだ。
「資格を取って悪いことは1つもない」
林さんのモットーは「資格があるから偉いわけではない。見られているのは、人」だということ。
取得が難しい社労士などの資格であっても、実際は何万人と取得者がいる。その中で指名してもらうためには、謙虚な気持ちで、誠実に仕事へ向かい続ける姿勢が問われる。さらにわかりやすく特徴や強みを打ち出し、他者と差別化を図る努力が必要だ。林さんのように、資格の掛け合わせで、ほかの誰にもまねできない価値を生み出せれば強い。
「私は資格を取ることで人生が変わりました。次々に新しい資格へ挑戦しているのは、資格が知的好奇心を満たし、頑張った結果を形として残せるものだからです。そのうえ、ビジネスにつながるチャンスも広がるのですから、これほど楽しいことはありません」
まだまだ資格取得の記録は更新中。「資格なんて意味はない、という人もいますが、資格を取って悪いことは1つもないと思っています。資格の勉強をするか、しないかで言えば、絶対にしたほうがいいです」。
資格の掛け合わせで新しい道が切り開かれていくことを、林さんはまさに体現している。
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