25年に共通テスト化「情報Ⅰ」を社会人は解けるか プログラミングより求められる問題解決の視点

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「情報Ⅰ」は2025年から大学入試の共通テストに加わる(写真:metamorworks/PIXTA)
今年から高校の共通必履修科目となり、2025年には大学入学試験の共通テストにも加わる「情報Ⅰ」。単なるプログラミングのスキルを学ぶ科目とも思われがちだが、「ビジネスパーソンこそ活用できる実践的で幅広い内容だ」と、『高校の情報Ⅰが1冊でしっかりわかる本』の著者である鎌田高徳氏は言う。高校の情報教育に長年携わってきた鎌田氏に、これからの高校生が「情報Ⅰ」で何を学び、社会でどう役立てられるのかを聞いた。

「情報Ⅰ」のサンプル問題、解けますか?

みなさんは、高校時代に「情報」の授業を受けたことがあるでしょうか。「情報」という教科のスタートは2003年。現在30歳前後の方々に高校時代に情報の授業で何を習ったか聞いてみると、視聴覚室やパソコン室でタイピングの練習をしたり、WordやPowerPointといった基本的なソフトの使い方を習ったり、メールの送受信を練習したりということが多かったようです。

しかし、デジタル技術の急速な進化の結果、今年年4月にスタートした「情報Ⅰ」で高校生が学ぶ内容は、そこから大きく変わっています。ここで、大学入試センターが発表した「情報Ⅰ」のサンプル問題の一部を見てみましょう。

(出所:大学入試センター)

上の「表1」は、ある年のサッカーのワールドカップにおいて、予選で敗退した16チーム(予選敗退チーム)と、予選を通過して決勝トーナメントに進出した16チーム(決勝進出チーム)との違いを分析するために作成した表です。データの加工には、表計算ソフトウェアを活用しています。

決勝進出チームと予選敗退チームの違いを調べるために、決勝進出の有無は、決勝進出であれば1、予選敗退であれば0 とし、また、チームごとに試合数が異なるので、各項目を1試合当たりの数値に変換しました。

さらに、データシートを基に、統計処理ソフトウェアを用いて作成したのが、次の「図1」です。

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