「週刊東洋経済」では臨時増刊『本当に強い大学2022』を5月23日に発売。入試から教育・研究、就職まで今の大学がわかるテーマを網羅した受験生・親世代必読の雑誌だ。有名大学の動向はもちろん、入りやすくて評価が上昇中の中堅「お買い得」大学も地域別に公開している。大学の実力がわかる各種ランキングも掲載した。ここでは、受験生の志向が読み取れる2022年度入試の志願者数ランキングを紹介する。
2021年の私立大一般選抜の志願者数は、前年比14%減という史上最大の減少幅となった。背景には、2021年に大学入学共通テスト導入を柱とした入試改革が実施されるために2020年中の入学を目指す受験生が増え、浪人生が減少したことがある。
私立大の一般選抜の志願者は、2年連続で減少していたが、2022年は入試の大きな変更はなく、前年の大幅減の反動もあることから、難関・有名大学を中心に志願者増の大学が多かった。大学通信が集計した主要100大学の志願者数は、前年を3%程度上回っている。
前年の反動で志願者戻る
学部系統別志願者状況を見ると、志願者の増加率が最も大きいのは歯学部。志願者が減ってきた反動だが、母数が小さいことから23.7%の大幅増となった。コロナ禍で一気に進んだ情報技術に対する受験生の注目度は高く、情報・メディアが17.0%と2番目の増加率となった。コロナ禍でワクチンや治療薬が注目される中、薬学部の人気も高く9.3%増。理・工の増加率は5%台だが、母数が大きいため、実数では3万2530人と最も増えている系統だ。
文系では、公務員志望者の増加から法の増加率が8.3%と大きい。コロナ禍で人気が下がっていた観光が9.2%と大きく増えたのは、國學院大学が観光まちづくり学部を新設した影響が大きいようだ。コロナ禍で国をまたいだ移動が制限される中、国際も人気を下げていたが、コロナ禍の先を見据えた受験生の影響もあり、0.7%の微減。同様に人気が下がっていた外国語は志願者が戻らず14.3%の大幅減となった。
次に大学別の志願者数ランキングを見ていこう。トップは9年連続の近畿大学。受験生の人気が高い情報学部を新設したこともあり2018年以来の志願者増となり、前年を15.8%上回った。2位は千葉工業大学。2021年に続きコロナ禍で家計が困窮することを見越して共通テスト利用方式の検定料を無料にした効果が大きいようだ。
首都圏の難関私立大のMARCH(明治大学、青山学院大学、立教大学、中央大学、法政大学)では、法政大と明治大が前年の志願者数を上回りそれぞれ3位と4位に入った。昨年は10万人を割り込んだ両大学だが、2022年は大台を回復した。
共通テストと大学独自の記述試験を組み合わせた入試方式を導入し、2021年に大幅な志願者減となった青山学院大も反動で19.2%増え14位に入った。中央大と立教大は志願者が減少しそれぞれ10位と11位になっている。
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