「円満退職」「好きなことをして生きる」という幻想 辞めるのにいい人に思われようとするな

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つまり「円満退職」だろうが、バックれだろうが、後の人生にはあまり影響がないのだ。だったら、出来るだけ低コストかつスピーディに辞めた方がいい。
そもそも「円満退職」自体、「円満離婚」と同じく、ちょっと無理がある言葉であり「存在しない」と言っても過言ではない。

存在しないものを追いかけていたら、いつまでたっても辞められないに決まっているし、途中で疲れている。辞表を出して嫌な顔をされ、1カ月微妙な空気の中で引継ぎをして辞めるという、どこにでもある退職をするしかないのだ。

給料以上は悩まない

私は会社員時代「終身名誉平社員」だったため、会社内で体験できる地獄の種類も深さもたかが知れていた。登らなければ転落も出来ないように、地獄に落ちるにも本人のレベルにあった地獄にしか落ちられないのである。

この何年いても地位が不動、むしろ新人にまで敬語で接して一歩下がることまであることに関しては、私の右に出る者はいないと思っていたのだが、同級生に同じところで5年バイトをしているがいまだに「研修中」の札が取れていない奴がいると聞いて、改めて世界の底の深さを思い知った。

横領で逮捕されたくても、まず「横領できる立場」にまでいかなければ不可能なのである。つまり、仕事上の悩みが多いということはそれだけ社内で重要な地位にあるということだ。

もし、バイトだし研修中の札が取れない、むしろ若葉マークが増えたのに、派閥争いに巻き込まれ、上司の代わりに出頭することになったという場合は「割にあってない」のだ。「給料以上は働かない」のが大事なように「給料以上は悩まない」というのも重要である。

とりあえず、家に帰っても会社のことで悩むというような「サービスストレス」は意識的にやめるようにしよう。

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