「奨学金1500万円」借りた弁護士の"2人の恩人" 毒親・貧困家庭脱出の背景に「理解ある恋人」

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「高校でバイトを3年間やっていた時に思ったのですが、バイトって、長く続ければ続ける分だけ辞めづらくなるんですよね。そこで、『バイトに時間を割くぐらいなら、勉強したほうがいいな』と思うようになって。

時給換算で考えたら、時間がもったいないですし、弁護士になれば時給はもっと上がります。そこで、生活費や家賃はすべて奨学金で賄うことにしたんです。

ただ、当時は本当に追い込まれていて、『これで失敗したらすべてを失ってしまう……後に道はない』という気持ちでした。弁護士にならなければ奨学金は返せないですし、そのために奨学金を自分に投資したので、もう楽観視できないというか、精神的にはいい状態ではなかったですよね。『最悪、死ねばすべて解決する』と考えたことすらありました」

23区外のとある街で家賃5万円のアパートに住み、8万円は学費のために貯金する日々。バイトをしていないので自由に使えるお金はないが、将来返す奨学金の金額はどんどん膨らんでいく。

だが、努力は実を結び、大学卒業前に、有名私大のロースクールに合格。ここでも、奨学金を借りることにはなるが、人生は好転していった。

「幸運にも、大学3年生の時から給付型の奨学金を貰えることになり、それを司法試験予備校の費用などに使って、本格的に勉強できたんです。

ロースクールに合格したので、また奨学金を借りるのですが、第一種(無利子)は成績優秀だったので200万円以上が返済免除に。さらに、本来なら1年で100万円以上かかる学費も半額になりました。

そして、『自分はすでに大量の奨学金を抱えている。それならこの際、第二種(有利子)は増額しまくろう』と考えて、法科大学院生が借りられる上限の22万円まで借りました」

その後、火野さんは司法試験に一発合格。大学時代の1000万円に大学院の分を足すと、火野さんの借りた奨学金の合計金額は1500万円に達していた。

弁護士になって思うこと

さて、火野さんが弁護士として働き始めてから半年が経ったところで、毎月6万4000円の返済がスタートした。毎月かなりの金額を返済しているが、それでも奨学金を借りていなければ、弁護士にはなれていなかったと、火野さんは振り返る。

「弁護士になるために、ロースクールまで進むと、そのために借りる奨学金が増えるのは目に見えていました。さらに追加で奨学金を借りることは勇気が要ることでしたが、仮に大学時代にバイトをしながら勉強をしていては、今のようなスピードでは司法試験に受かってなかった気もします。

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