本を出したい人の大半が「出せないまま終わる」訳 企画と人脈で出版は可能だが行動する人は少数

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鈴木:そうですね。私たちの不安や閉塞感に何らかの形で答えをくれる面白い人のことは、常に探しています。逆に伺いたいんですが、著者の視点から「この本はこの出版社で出したい」という基準はありますか?

加藤:たしかに以前は本の内容と出版社の相性は相関が強かったと思うんですが、現在ではだいぶその垣根がなくなってきている感じがします。だから「どこから出すか」ではなくて「誰とつくるか」。出版社というよりは、編集者にこだわることのほうが重要だろうなあと思っています。それで、さっき言ったように、今では担当した編集者の名前が奥付に書いてあるので、持ち込みはしやすくなっている環境になっている。

だから相談してきた人に加藤がよく言っているのは、「大きめの本屋さんで3時間ぐらい、ピンとくる本を探してみるといいよ」ってことです。例えば僕たちの本にピンときたら、奥付を見てもらったら「KKベストセラーズの鈴木康成さんが編集者だ」と書いてある。

そうやって、自分がピンときた本の編集者から当たっていくのどう? ということを常に言っているんですけど、それを聞いて本当に本屋さんに行く人はほとんどいないんですよねぇ。

角田:そうなんだよね。みんなそこで行動しないんだよ。

加藤:わざわざ「『〇〇』を読んで、ぜひ鈴木さんにお願いしたいと思って」と連絡をくれたら、まあメールのやり取りぐらいはしてくれますよね?

鈴木:そうですね。本屋さんにはいろいろなヒント・答えがありますよね。私も本屋さんに行って気に入った装丁の本を探してみて、その装丁家の方に連絡を取って仕事を頼んだりしています。本屋さんはおおいに利用すべきだと思いますね。

「書けなくても」著者になっていい

角田:僕は以前から「人生とは『ロケ』と『ロケハン』である」と言っています。ロケは「撮影」で、ロケハン(ロケーション・ハンティング)は「撮影の準備」ですよね。

「あなたの人生が主役の番組」をそろそろ作ったほうがいいんじゃないの?という喩えで、「ロケハンばかりやっていても、ロケをしないと番組はできない」ということを言うんですよ。

本で言うと、「自分の文章だとダメだから」と言って文章教室に通って、なかなか実際の執筆にたどり着かない人がよくいるわけだけど、どこか「自分の文章なんて」という躊躇を乗り越えない限り、本を出すことにはたどり着かないよね。

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