本を出したい人の大半が「出せないまま終わる」訳 企画と人脈で出版は可能だが行動する人は少数

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僕は「本を書きたい人の個別相談会」というのをやっているんですが、なぜ「個別」相談会にしているかというと、初めに「やっぱり世の中から認められたくて」という気持ちを吐露しない限り、本は書けないんですよ。

実際に、これまで何十人と相談を受けてきたけれど、みんな根っこは「著者の地位を得たい」で、「文章が好きだから」という人はゼロだった。だから、この質問者の方もそうだと思うんです。15年仕事をしてきて、職場では認められているけれど、対外的にも認められたい、っていう気持ちだよね。

加藤:それで全然いいんじゃないのかな。

角田:うん。だから「それでいいんだ」ということが言える社会のほうがいいと思う。というわけで、質問者の方の「営業の15年のメソッドを後世に残したい」という欲望はすごくわかる。じゃあどうやればその人は著者になれるのか。せっかくなので、『仕事人生あんちょこ辞典』の担当編集である、KKベストセラーズの鈴木康成さんに話を聞いてみましょう。

鈴木:よろしくお願いします。そうですね、新人の著者さんでいうと、仮タイトルでもいいんですが、本の思想が一発で伝えられるようなキーワードやタイトルがあると、出版まで持っていける可能性が高いと思います。

角田:なるほど。持ち込みの時にも、原稿だけあればいいわけでなくて、キーワードを考えたうえで持っていったほうがいいんですね。

鈴木:私が編集を担当した、藤森かよこ先生の『馬鹿ブス貧乏で生きるしかないあなたに愛をこめて書いたので読んでください。』という本があります。「馬鹿」「ブス」「貧乏」というキーワードだけでもインパクトがあるし、そういう状況のなかでいかに生きていくかということが書かれていて、非常に面白い内容の本です。

制作の途中、「馬鹿ブス貧乏」をタイトルに持ってきたら、さすがに反感を持たれるのではないかと、一度は引っ込めることにしたのですが、原稿の中に何度も出てくる印象的な言葉なので、結局タイトルとして使うことになりました。

その結果よく売れる本になったので、やっぱり「引きのある言葉」はすごく大事になってくると思います。

出版に至る道3つ(プラス1)

加藤:「本を出したいんです」と相談されることが加藤もたまにあるんですが、そのときの答えとして、「本を出すに至る道、主に3つ、プラス1」だと言っています。企画の内容については鈴木さんが仰ったようなことが大事だと思うけれど、それ以前にそもそも「編集者とどうやって知り合うか」という問題があって、その方法が「主に3つ、追加で1つあるよ」と言うんです。

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