日本人が苦手な「aとtheの違い」完全理解する方法 勘違いも多い!単なる暗記・慣れでは対応困難

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theは「共通認識」

theの核心は共通認識という発想です。もちろん英語の中で使われる膨大な数のtheがすべてこの発想だけで理解できるわけではないのですが、大半の用法は一瞬で解決してしまいます。最初に習うルールこそ、多くの場面で当てはまるものでなければいけませんよね。

細かい用法は出てくるたびに考え方を調整していけばいいのです。もちろんその場合でも、共通認識という考え方が土台になります。長年にわたって日本人を苦しめてきた冠詞をここで攻略してしまいましょう。

※普通は、不定冠詞a→定冠詞theの順で説明されますが、ここではtheを先に扱います。theは意味も使い方も「限定的」なので、幅広く使われるaよりも使い方がハッキリしていることが多く、theを先に理解したほうが学習の効率がよいからです。

「冠詞」を制覇するためのマインドセット
■ 以前に習ったことはすべて忘れよう
■ theは「共通認識」
■ 冠詞も暗記・慣れより、やっぱり理論

共通認識できるものとは?

theは、あなたと私(そこに居合わせた人みんな)で共通に認識できるものに使います。みんなで「せ~の……」と一斉に指をさせるならtheを使う感覚です。

この発想だけでtheの用法を解明していきます。

例えば、The sun rises in the east.「太陽は東からのぼる」は、「天体・方角にはtheをつける」と説明されますが、もし「太陽を指さしてみましょう」と言われれば、みんなで指をさせるので、theを使うと考えればOKです(the moon/the earthも同じ発想)。方角もみんなで東を指さすことができるので、the eastになります。

※「東はどっち?」ということはあっても、「どの東?」と聞く人はいないので、方角は共通認識できるわけです。

日常会話でのOpen the door, please.「ドアを開けてください」も、「部屋にドアが1つしかない」か、「いくつかあってもどのドアを指すか(言った人と言われた人が)共通認識できる」なら、(a ではなく)いきなりtheをつけるのです。

Who will bell the cat?
誰がその危険な仕事をするんだ?
※ことわざ/直訳「誰があのネコに鈴をつけるの?」

『イソップ物語』で、誰がネコの首に鈴をつけるかで困ったネズミの話から、「誰が難局に当たるか」を意味する決まり文句です。the cat は「ネズミたちを困らせる、例のあのネコ」と共通認識できるわけです。

「最初にa、2回目にthe 」という説明は何だったのか?

I saw a cat in front of my house. The cat followed me to the station.「家の前で(ある)ネコを見かけた。そのネコが駅までついてきた」という文では、最初はa cat でネコを特定できませんが、その後は特定できる(家の前で見かけたネコのことだとわかる)ので、theがつくわけです。この現象だけが切り取られ、「最初はa、2回目にthe」という教え方が定着してしまったのです。

※確かにそうなる場合も多いのですが、Open the door.のような単純な英文でも通用しないのも事実です。

また、この文ではいきなりthe stationが出ましたが、「話し手と聞き手が共通認識できるstation」だとわかります。

※普段の会話(日本語)でも「駅/図書館」などは、共通認識できる「最寄り駅/近くの図書館」を指しますが、この感覚がthe stationに表れているのです。

補足:theの語源

theは、that「あれ」から生まれた単語です。theの「特定」する感じはthat に由来するものなんです。the に「例のあれ」という感覚を持ってもいいでしょう。
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