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ライフ #歌舞伎町の横顔

新宿で50年続く「社交ダンス教室」が見てきた変化 ホストや地下アイドル、子どもまで生徒も多彩

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  • 肥沼 和之 フリーライター・ジャーナリスト
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(写真:尾形文繁)

かつて歌舞伎町を闊歩していた怖いおじさんたちは減り、代わって若者が増えた。教室を開いたころは土手だった西武新宿駅の線路沿いには、おしゃれな店が立ち並ぶように。ホストクラブや水商売の求人の広告トラックが、にぎやかな音楽をかけて走るようになったのも最近のことだ。雰囲気こそ変われど、昔と同様にエネルギーが満ちている歌舞伎町を、橋本さんも比美野さんも、生徒たちも楽しんでいるという。

橋本「歌舞伎町はいろいろなお店があるじゃないですか。レッスンが終わって、ランチや飲みに行くのを楽しみにしている生徒さんもいます。この間はあそこに行ったから、今日はここに行こうか、とかね」

比美野「キッズクラスでも、お子様のレッスン中にお母様が少し足を延ばして、東急ハンズに買い物に行ったり、伊勢丹の美味しいお惣菜を買って帰ったりとかね。小田急、京王、伊勢丹、高島屋……デパートを選び放題の街って楽しくないですか?」 

時代の経過とコロナの影響で減少している生徒数

これまでに、橋本さんは約2000人、比美野さんは約700人に指導をしてきた。競技会などでそれぞれのダンスを見てほれ込み、この人に教えてもらいたいと、わざわざ遠方から通ってくる人も。教室が20人近くの生徒で満杯になり、レッスン後にみんなでワイワイと野球中継を見ていた時期もあったという。ただ時代の経過とともに、社交ダンスに興味を持つ人は減少している。

橋本「ときどきテレビで社交ダンスが取り上げられると、体験してみようかな、という人が来るけれど、滅多にいないですね。社交ダンスはペアで踊りますし、(頬を寄せて踊る)チークダンスのイメージも持たれがちなので、男性と組むことに抵抗がある方もいる。本当に好きじゃないと、なかなかできないんですよね」

追い打ちをかけたのが2020年4月、新型コロナによる緊急事態宣言の発令だ。歌舞伎町が感染拡大の元凶だと名指しされてからは、街へ向けられる目が一変した。西武新宿ダンス教室も感染対策を徹底しながら営業したが、生徒の数は激減した。

比美野さんによるデモンストレーションの様子(写真提供:西武新宿ダンス教室)

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【コロナ収束後のことを前向きに見据える2人】

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