新宿で50年続く「社交ダンス教室」が見てきた変化 ホストや地下アイドル、子どもまで生徒も多彩

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写真左から、オーナーで講師の橋本沙代子さんと、講師の比美野めいびさん(写真:尾形文繁)
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「Shall we ダンス(踊りませんか?)」

そんなタイトルの、社交ダンスを題材にした映画が大ヒットしたのは1996年のこと。その四半世紀も前、1971年から歌舞伎町で社交ダンスを教えている教室がある。「西武新宿ダンス教室」だ。

ギラギラのネオンが輝く歓楽街と、ムーディな社交ダンスは、一見すると結びつきづらい。なぜこの場所を選び、50年以上も教室を続けてきたのか。オーナーで講師の橋本沙代子さんと、同じく講師の比美野めいびさんに話を聞いた。

西武新宿駅近く、線路沿いの雑居ビルの5階

西武新宿駅からほど近く、線路沿いの雑居ビルの5階に教室はある。周辺にはバーやレストランやライブハウスが軒を連ね、裏手にはラブホテルが並ぶ。いかにも歌舞伎町という雰囲気だが、教室のなかは一面の窓から日光が差し込み、明るく開放的な雰囲気だ。どんな人たちが通っているのだろうか。

教室の看板(写真:尾形文繁)

橋本「教室を始めたばかりのころは、(大会などに出る)競技ダンスの選手が多かったです。大学でダンスサークルにいた人が、卒業してから通ってくれたりとかね。あと、前は歌舞伎町にグランドキャバレーが何軒もあって、そこで働く女性やお客さん、女性にダンスを教える先生も習いに来ていました。

昔は遊びの選択肢が少なくて、ディスコやダンスホールに行くことはそのひとつだったから、社交ダンスは今より身近なものだったのかもしれません」

比美野「ここの教室に行けば教えてもらえる、ってみんな通ってくれて。歌舞伎町の社交ダンスの本家がこの教室で、橋本先生は主なんですね」

(写真提供:西武新宿ダンス教室)

前述の映画が大ヒットしたころから、社交ダンスがテレビのバラエティで取り上げられるようになり、趣味で通う人も増えていった。教室には現在、2歳から91歳まで、幅広い年齢層の生徒がいる。子どもや会社員もいれば、水商売の人、LGBTの人もいる。

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