新型コロナは多くの業界に打撃を与えた。その最たるものがエンタメ業界だ。イベントや舞台は中止もしくは制限を余儀なくされ、あのシルク・ドゥ・ソレイユすら破産申請に追い込まれた。では、ただでさえ売れていない芸人は、コロナ禍でどうなってしまったのだろう。
ピン芸人のコラアゲンはいごうまんさん(52歳・以下コラアゲンさん)は、「売れない・食えない・笑えない 年収100万円芸人物語」というドキュメンタリー番組に取り上げられたこともある、“売れない”芸人である。
ここ10年ほどは、お笑い活動だけで「ぜいたくしなければ何とか生活できるくらい」の収入を得られていたそうだが、コロナで窮地に追い込まれているのではないか。
筆者は2017年にコラアゲンさんについて記事を書いたが、いったい今、彼はどんな生活をしているのか。
9月上旬、取材をしたいと連絡をしたところ、「わかりました、今月のNGな日を伝えますね」と送られてきたのはたった3日。それ以外はスケジュールが白紙なのか……と、この時点でちょっと切なくなった。
コラアゲンさんの特殊なネタ
最初に紹介すると、コラアゲンさんのネタや収益モデルは少々特殊である。ネタは、一般的にあまり知られていない人や場所に密着取材し、「体験型ノンフィクション漫談」として披露するもの。過激な内容も多く、ネタの時間も長いことから、テレビにはほぼ出ず、ライブ活動を中心としている。
後述するが、所属の個性派集団「ワハハ本舗」の中でも独特な生き方をしてきた人物である。
活動の目玉は、毎年5月~11月にかけて、全国約50カ所を回るライブツアーだ。ただライブと言っても、主催者は彼を応援する一般人がほとんど。会場も個人宅やスナックや会議室などで、20人規模が中心。このドサ回りスタイルの活動が、彼の年収の7割を占めている。
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