IT導入で農業・飲食が一体に「6次産業化」への期待 DXによってさまざまな産業の垣根がなくなる
このようなトレンドはまず、ハードルの低いコンシューマー=一般消費者領域から始まり、ビジネスに浸透していきます。これは、クラウドやソーシャルメディアの歴史においても顕著な傾向です。
「仮想世界のリアル化」は携帯電話が最もわかりやすいでしょう。
2Gの時代、NTTドコモの「iモード」のコンテンツは文字が中心で、「着メロ」も単音が流れるだけでした。それが3Gに進化して画像も扱えるようになり、撮影機能も実装しました。「着メロ」は「着うた」に進化し、楽曲の音源をそのまま利用可能になりました。
4Gの時代ではスマートフォンが普及し、「時系列拡張」という進化によってネットワークを経由した連続的な音声や映像の視聴、撮影した動画の送信、インターネット通話が利用可能になりました。
そして、5Gの登場で「現実空間の転送」ともいえる「空間拡張」が実現しました。本物のように高精細な4K・8K動画や、空間の奥行方向に拡張された大容量の3DコンテンツをAR・VRなどで通信できます。さらに、現実世界の事象に対して無遅延・リアルタイムでのデータ通信が求められる自動運転の制御にも利用されています。
仮想世界のサービスやモノが現実に
これらはまさに、仮想世界のサービスやモノがリアルに再現されていくことで、「現実のモノ」に近づいていることを意味します。まさに仮想世界のリアル化です。
そして、「①現実世界の仮想化」「②仮想世界のリアル化」が進行すると、その境界は曖昧になっていきます。Meta Platformsに社名変更したFacebookは、「Horizon Worlds」というメタバースのサービスをリリースしていますが、これが既存のサービスと異なるのは、コミュニケーションの向こう側にリアルな人がいる点です。デジタル上にもかかわらず、現実との境目を感じさせないように交流できるように作られています。
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