「わずかな報酬」「生還保証なし」で成功の求人広告 非日常性を与えて「ひらめき」を生む戦略質問

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この話をお聞きすると、はじめてお会いした経営者でも、距離感がだいぶ縮まる(少なくとも、数分前にお会いしたときとは空気が違っている)。お察しのとおり、短期間で戦略を議論する場合、成功確率はその場の雰囲気のよさに左右される。この南極探検が出てくると、一気に議論が盛り上がる。

「この南極がさ、今、ないんだよ」とため息

南極探検のリクルーティング広告の話でしばし盛り上がったあと、この問いかけを行う。

では、今この時点での
あなたの会社の「南極」は
何になりますか?

これについては、あるアパレル会社の個性豊かな名物社長の反応が忘れられない。その方は、古着の露天商から一大アパレル企業を築き上げられた。まさに裸一貫、徒手空拳での会社立ち上げには、いろいろな苦労があったと思う。が、すべてを自己実現として楽しんできたと笑う。話を聞くたびに、私自身、いい歳をしてうっとりと聞きほれてしまう。

その方は、そこに書かれている文字を凝視しながら「僕があの時代に生まれたとして、あの南極探検募集があったら絶対に応募していた(残念だ)」と大きな声で、まず言われた。筆者もご本人を見ていて、この方は、たしかに応募されただろうなあと心の中で大きくうなずいた。

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