「わずかな報酬」「生還保証なし」で成功の求人広告 非日常性を与えて「ひらめき」を生む戦略質問
別に奇をてらっているわけでなく、真剣かつ正直なメッセージであり、これをおもしろいと思う人こそが、シャクルトン卿の求める人材だったのかと思った。
この「南極探検」だが、今までさまざまな経営者にお見せした。最初は何が始まるのかとけげんそうな顔をされる。
そしてこれが、南極探検隊の隊員の募集で、世界で最も成功したリクルーティング広告だと説明すると、「なるほどなあ」と急にじっくりと凝視される。そして、例外なく全員から「これ、あとでメールで送ってくれないか」とリクエストされる。
相手との距離感を縮める質問
続いてこの質問をする。
かつての「南極探検」は
なんですか?
芝居がかった書き方になるが、ほとんどの方が、一瞬、天井のほうを見上げて遠い目をされる気がする。そこから、ご自身の若い頃の冒険談が始まる。この時間は、筆者にとってすごく楽しい時間になる。そして勉強になる。
学生時代の話、就職した新人時代の話、はじめてリーダーになったときの話、そして徐々に責任が重くなり、いろいろな意思決定をしなければならなくなってきた話などなど。
それは、まさに高度経済成長期時代から始まった企業戦士の物語である。
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