「わずかな報酬」「生還保証なし」で成功の求人広告 非日常性を与えて「ひらめき」を生む戦略質問

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これはリンクアンドモチベーションの小笹芳央会長に教えていただいたものである。はじめてお会いしたとき、小笹会長は、資料をいきなり私に見せて、「これって、なんだと思います?」と尋ねられた。

求む隊員。
至難の旅。わずかな報酬。極寒。暗黒の日々。
絶えざる危険。生還の保証はない。
成功の暁には名誉と賞賛を得る。

なにやら人を募集しているらしいが、人に本当にきてほしいなら、もっと言い方があるのではないかと思う。私の表情に満足したかのように小笹氏は答えを教えてくれた。

何十倍もの応募があった理由

これは、アーネスト・シャクルトン卿が、南極探検隊の隊員を募集したときの広告。世界でもっとも古いリクルーティング広告の1つだそうだ。

読者の皆さまが会社の経営者で、リクルーティング担当の社員から「これが当社の今年の新卒採用のメッセージです」と言われたらどうだろう。間違いなくボツにすると思う。

で、この南極探検のリクルーティングの結果はどうだったのか。実に、求人数の何十倍もの応募があったという。

「若い人たちは、挑戦や自己実現を求めているんですよ。あなたにもそんな時期があったでしょ?」と小笹氏から問われて「なるほど」と思った。

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