「はじめてのおつかい」海外で噴出した思わぬ反応 「ハマった」「困惑」イギリス紙の感想も独特

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子どもは、保護者・大人が守るべき対象であり、低年齢の子どもは外では保護者が付き添うのが一般的。筆者の自宅近辺にはいくつもの小学校があるが、平日の朝8時過ぎ、親たちは子どもたちを連れて小学校に向かう。授業は午後3時には終了するので、その時分になると、再び親が子どもを迎えに来る。

隣人のシベルさんとスザンナさんも毎朝8時30分、それぞれの子どもたちを連れて家を出て、学校に連れていく。スザンナさんは午前10時からスーパーで勤務し、シベルさんは自宅で働いている。スザンナさんは午後2時に仕事を終え、着替えてから、7歳の息子を迎えに学校まで行く。シベルさんも午後3時少し前には仕事を中断して、8歳の娘を迎えに行く。

保護者が学校までの送り迎えをする必要がある子どもの年齢は、法律で定められているわけではないが、子どもの人権擁護組織などは「8歳まで」を勧めており、多くの学校もこれにならう。

シベルさんによると、娘が通う小学校では「9歳になるまでは親の送り迎えが義務となっている」という。9時〜午後5時の会社勤務の親はどうするのかというと、朝は通常より早く子どもを連れていき、夕方は6時過ぎまで学校で預かってもらうことは可能だという。「ただ、通常の時間外になるから、その分、学校にお金を払わなければならないの」。

2歳から4歳ぐらいの子どもを1人でお使いに出す日本の番組の話をすると、シベルさんは「そういう設定は、イギリスでは考えられない」と目を丸くした。

イギリス版が制作されるとの報道も

近所の母親たちが8歳ぐらいまでの子どもたちを遊ばせている様子を観察すると、けっして子どもたちを1人にさせず、大人の目が届かないところには置かない。用事がある時はほかの母親たちに「見ててね」と言って互いに面倒を見てもらっている。

番組内容自体は感動ものだが、「幼児」を「1人でお使いに出す」習慣がないイギリスでは、「奇妙な」という感想が出てしまうものなのかもしれない。ただ、イギリス版の「はじめてのおつかい」が制作されるという報道が一部で出ており、どんな設定になるのか興味津々だ。

小林 恭子 在英ジャーナリスト

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こばやし・ぎんこ / Ginko Kobayashi

成城大学文芸学部芸術学科(映画専攻)を卒業後、アメリカの投資銀行ファースト・ボストン(現クレディ・スイス)勤務を経て、読売新聞の英字日刊紙デイリー・ヨミウリ紙(現ジャパン・ニューズ紙)の記者となる。2002年、渡英。英国のメディアをジャーナリズムの観点からウォッチングするブログ「英国メディア・ウオッチ」を運営しながら、業界紙、雑誌などにメディア記事を執筆。著書に『英国公文書の世界史 一次資料の宝石箱』。

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