会社は巨大モビルスーツ!どう乗りこなす?

なぜ今、大組織に「変人」が必要なのか

一方、最初は「もやし系ビジネスパーソン」であっても、地道に勤力をつけていけば、難度50→52.5→55という具合に、少しずつ高いレベルの仕事ができるようになり、そのうち難度100の仕事をするのも夢ではなくなる。詰まるところ、自由とは、自分の勤力に比例して感じることができるものなのである。

かく言う私も、入社当時はプライドの塊。大学、大学院時代に周囲からちやほやされていた私は、会社に入ると、新人研修中から早く実際のマウンドで投げさせろと言わんばかりに、鼻息荒くブルペンで肩ならしをしていた。

ところがその直後、プライドは木っ端微塵に砕かれることになる。

屈辱を味わうなら1日でも早いほうがいい

カキーーーン。

プロ初登板の日。第一球、私が渾身の力を込めて投げた球は、軽々とクライアントに打ち返され、バックスクリーン、いや、場外へと消えた。その後も相手の打線を止めることはできず、1回から大量失点。膝からガクンと崩れ落ち、心の中でむせび泣いた。草野球界の勘違い野郎は、プロの洗礼を浴び、マウンドから引きずり降ろされることになったのだ。

こんなはずではない。別のフィールドに行けば、自分はもっと活躍できるのではないか。そう信じたかった。他人の責任にし、自己を肯定しないと、心が潰れそうだった。しかし、傷つかない限り成長はない。屈辱を味わうなら一刻も早いほうがいい。その出来事を経験して以来、奢っていた自分をふり出しに戻す決意をしたのである。

その後も会社員生活を送りながら、凹んではチクショー、凹んではチクショーと繰り返しているうちに、学生時代に筋トレ好きだった私は、仕事力はまるで筋力と同じように鍛えられることに気づいた。その体験から、仕事の筋力を同じ発音で「勤力」と呼ぶことにしたのだ。

筋力と勤力は、本当に同じように鍛えられる。筋トレでは、筋肉に負荷をかければ、筋繊維に傷がつく。それが修復されることで、筋繊維が一回り太くなり、筋力がアップする。これを専門用語では、「超回復」と言う。勤トレでも、自分に負荷をかければ、心身に傷がつく。それが修復されることで、心と体が一回り強くなる。

自分に負荷をかけることは苦痛を伴うが、このメカニズムを理解し、損傷と超回復を繰り返して勤力を強化することができれば、やがては巨大な組織でも乗りこなすことができるようになるのである。

組織は「巨大なモビルスーツ」だ

私は、よく大きな組織は巨大なモビルスーツ(=操縦式ロボット)のようなものだと言っている。図体が大きい分、最初は操縦に難儀するが、コツをつかみ勤力を身につければコックピットに乗り込み、個人や少人数のときと比して圧倒的なパワーを発揮することができると思う。

近年、このことに気づき、組織を乗りこなしながら自らの意思で大規模にやりたい仕事を実践するニュータイプ・ビジネスパーソンが登場している。かつては言ったことを確実にやってくれる従順な人材こそ可愛がられたものだが、流れが変わってきたのにはちゃんと理由がある。

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