いい大学に入り、いい会社に入っても、一生安泰の保証はない。これからの時代は、社会に出た後にどんな努力をするかで将来が決まる。この連載では、「学歴なし、コネなし、カネなし」で世の中を渡り歩いてきた安井元康・経営共創基盤(IGPI)プリンシパルが、悩めるビジネスパーソンからのキャリア相談に、本当に役立つ実践的なアドバイスをしていく。
※安井さんへのキャリア相談は、こちらまでお送りください。
前回の質問 新卒入社の数年間をどう過ごすべきですか
前々回の質問 「激務で体を壊し退職」、面接で言ってOKか
本当にチャンスがないのかを確認するべき
なるほど、従業員数が100人規模の会社で、一般職制度を現在も採用されているのですね。まずは現実的な選択肢を見極めるという行動からスタートするべきかと思われます。
現在、一般職としての仕事の範囲に限界を感じ、なおかつ総合職への転換制度もないとのことですが、同じような状況の会社でも、制度そのものはないとしても一般職から総合職、または派遣から社員へと変わる方は、昨今の人手不足や一部業務の内製化の動きも相まって、実はそれなりにいたりもするものです。現在の会社に「残る/残らない」の選択肢がどうであれ、まずはそういったチャンスが本当にないのかを確認されるのがいいでしょう。
そのうえで、本当にチャンスがないのだとしたら、それは硬直的な制度の問題なのか、それともSAKURAさんに足りない何かがあるのか、そういった会話を会社側とすることをお勧めします。今後の現実的な選択肢の検討に役に立つと思います。
実は会社サイドからすると、まったく仕事ぶりのわからない誰かを採用するよりも、仕事ぶりをわかっている方の雇用の形態を変えるというほうが、採用に伴う不確実性を排除したり、採用にかかるコストを最小化するなどという意味においても、よかったりするものです。したがって、明示的にそのような制度をうたわずとも、ケースバイケースで判断する、という会社も多くあるわけです。
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