さて、少なくとも、記載されている内容を拝見するに、今の状況のままでは、キャリアアップを狙われているSAKURAさんにとって、将来の選択肢の自由度を確保するという意味においても、あまり得策とは思えません。当然のことですが、経験の幅や深さが大きければ大きいほど、キャリアにおける将来の選択肢は広がるからです(もちろん一般職には一般職なりのメリットもありそれを選択される方もいらっしゃいますが、SAKURAさんのケースは別の形でキャリアアップを目指しているから、ということです)。
自分ならではの付加価値を
ちなみに、一般職のままでは職務範囲を広げられないかというと、決してそんなことはないということは、ご苦労されつつ徐々に仕事の幅を広げてこられたSAKURAさんもご存じのとおりです。派遣社員でも正社員同様の仕事をこなしている方がいらっしゃるのと同様に、できる方の領域は拡大していくものなのでしょう。それに伴い雇用の形態も変わる、ということかもあるかと思います。
たとえば、現在されている見積もり作成にしても、ご自身なりの工夫をすることでスピードアップや効率化、正確性のアップに寄与した、などという実績を作れると、その後も何かと仕事を任せてくれるようになるかと思います。
つまり、仕事の幅を現在の立場にかかわらず広げようとするならば、現状のやり方の踏襲だけでなく、SAKURAさんならではの付加価値を出せるか否かにかかっている、ということです。
当然、限られた業務の範囲を頑張って徐々に広げていくということを、今までどおりできればよいのですが、制度上の壁が存在する中では、少なくともほかの選択肢と比較した際には、領域が広がるスピード、業務経験の幅や深さにおいて、または仮に職務範囲を広げたとしても、同じ仕事をするうえでの待遇差という意味でも、ストレスを感じてしまう事になるのかと思われます。
しかしながら、総合職として現在の会社におられるのであれば、会社からすれば、有望なオプションとなりうるのだと思いますので、一般職として頑張りつつも、総合職への転換が可能かどうかの確認はすべきだと思います。仕事の幅を広げれば広げるほど総合職に必然的に近づきますので、当然の要求だとも思います。
その一方、総合職になれば自然と業務範囲が広がるわけではなく、今まで同様の努力が求められます。つまり雇用の形態にかかわらず、キャリア上の努力は相変わらず必須ということです。
そして繰り返しですが、その際にそういった選択肢が会社から提示されるか否かは、制度の問題が超えられる壁だと仮定すると、SAKURAさんのその会社における実績(つまり評価ですね)次第ということになってきます。
本連載において、以前、記載させていただいたとおり(※ 臨時職員だった会社に正社員として戻りたい)ですが、職を求める各個人にとっていちばんの武器は前職(現在いる会社)における実績です。採用する側からすると、当然、候補者が「使えるか使えないか」の判断は難しいところがあり、そういった不確実性を排除するうえで、前職における実績ほど強く物語るものはそうはないのが実態です。つまり「ほかの会社で評価されている方であれば、当社でも活躍してくれる可能性は高いのでは」という連想が働くわけです。
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