そういう意味でも、現在の会社からどういった評価をされているのか、より直接的に言うと、総合職へ転換させてもいいと思えるような仕事ぶりをされてきたかを、客観的に把握するうえで、総合職への転換希望を会社側へ交渉するというステップは、仮に転職を選択したとしても大切だとご理解いただけるかと思います。
そうはいうものの、100人程度の所帯で一般職制度を採用しているくらいの会社ですので、融通が利くか、または、まったく利かないかは、正直、不明だとも思います。
では仮に、無理な場合はどうかということですが、現状のまま会社に残るという選択肢は、キャリアアップのためにはあまり現実的ではないので、転職をする(またはその準備をする)ということになろうかと思います。
転職には武器と情報収集が大事
ちなみに本当に将来のキャリアを考えるのであれば、仕事に壁のある立場(現状)にこだわるべきではありません。「正社員」というステータス自体は、キャリアを切り開くスキルという意味においては、何の得にもなりませんので。
そのためにはまず、転職にあたっての武器となるものをどの程度持っているかを把握するとともに、そういったスキルにはどの程度の市場価値がつくのかを情報収集することが最初のステップです。
そして仮に武器と呼べるようなスキルや実績がないのであれば、前述のとおり現在されている業務における効率化などを通じたSAKURAさんならではの付加価値(=実績)を出すことにまずは注力しましょう。「漠然と業務をこなしました」ではなく、「こういった工夫の結果、○○が改善されました」といったことを語れるか否かではだいぶ違いますよね。それは複数あればあるほどアピールポイントになるかと思います。
そういう小さな積み重ねによって、現在の会社から総合職への転換を認められるかもしれませんし、転職の可能性も開けてくるかもしれません。
たとえば、データ入力や見積もり作成の正確性とスピードを武器にしつつ、経理(簿記)の知識などを取得し、人手不足のベンチャー企業や中小企業での見積もり作成やデータ入力・集計などがメイン業務の営業経理的な仕事、または経理そのものなどにまずは活路を見いだしてみる、というのもありかもしれませんね。そしてその後、さらに仕事の範囲を広げていくという、一歩一歩前に進んでいく長期的なスタンスです。
ご自身では気がつかないかもしれませんが、ベンチャー企業の立場で採用を行っていた私から言わせると、意外と大手企業などにおける見積もり作成などの、何げない業務で、固い仕事が効率よくできる方が重宝される場合もあるのです。目立った実績がなくても、仕事の固さや正確性で勝負する転職もありだと思いますし、そういったニーズがあるのも事実だと思います。
いずれにしましても、現実的な選択肢の見極めと、スキルの棚卸しをはじめとした現在のご自身の置かれている状況を正確に把握する作業を通じて、ご自身を理解することがスタートになるのだと思います。
現時点では焦りがあるかとは思いますが、大事なのは目先の仕事などを丁寧にこなし、小さな実績を積み重ねていくことです。それが遠回りのようで近道なのです。チリも積もれば、ではありませんが、将来とは、過去そして現在の努力の積み重ねの上にしか成り立ちません。明るい将来を目指しつつも、日々の一歩を大切に踏み出すことで、理想とするキャリアの道を歩まれることを応援しております。
※安井さんへのキャリア相談は、こちらまでお送りください。
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