では、現代の学生の就職観はどのようになっているのか? マイナビの就職意識調査から探っていきたい。
まず、どのような働き方を望んでいるのかを聞くと、1位は「楽しく働きたい」で、2位が「個人の生活と仕事を両立させたい」となっている。数値の上下はあるものの過去15年間、その順位に変化はない。3位は「人のためになる仕事をしたい」。こちらは順位こそ変化がないが、2020年卒以降、徐々に数値が上昇している。
SGDsへの取り組みやESG経営に対する意識が高まったこと、コロナ禍に直面したことで、仕事を通じて社会の役に立ちたいと考える学生が増えている。そして、働く意義を見直す学生が増えつつある。
次に入社したい企業の規模については、2017年以降はつねに大手志向が中堅・中小志向を上回っていたが、2022年卒は前年比で4.0ポイントのマイナスとなり、逆に中堅・中小志向は前年比3.8ポイントのプラスになった。コロナ禍で業績が悪化した企業の苦境を報道で知り、やりがいのある仕事ができれば規模にはこだわらないという傾向が強まったのかもしれない。
子どもの自主性に任せて後悔するケースも
『就職活動に対する保護者の意識調査』では、保護者自身の経験を踏まえ、これから就職活動をスタートする子を持つ保護者に向けたアドバイスを聞いている。
「大学生は立派な大人。親が思う以上にしっかりしています。意見を求められればアドバイスしますが、ほぼ本人任せで問題なく頑張ってくれます(息子が就活生の母親)」や、「20歳過ぎたらもう大人なので親が干渉するのは筋違い。すべては人生経験(娘/父親)」といった、子どもを信じて自主性に任せるという声がある一方で、「子どもの自主性に任せるなどと暢気なことは考えない方が良い(息子/母親)」や、「子どもを信じてほっておいたが、大変なことになった。子どもが話さなくても進んで就活状況を聞くべきだった(息子/父親)」といった後悔の声もある。
同調査では、「親側から自発的に行った支援」についても聞いており、上位には「あまり気を遣わないような雰囲気や環境作り」「励ましなど精神的サポート」「身だしなみを整える手伝い」が入っている。
必要以上に子どもの就活に介入しない親が多いようだが、子ども側から頼まれた支援内容として「履歴書やエントリーシートの添削」「企業選びのアドバイス」に続いて、「自宅でWEB面接を受験することへの配慮」が入っており、コロナ禍の就活ならではの支援が必要とされていることがわかる。
子どもの就活で一番不安を感じることとして、44.0%の親が「子供の就職活動の進捗状況が把握できない」と回答しており、親と子のコミュニケーション不足が心配させる結果となっている。とはいっても、「突然、コミュニケーションをとれと言っても無理。今までの積み重ねで信用されるかどうか(娘/父親)」という声もあり、あらためて普段からのコミュニケーションの大切さが浮き彫りになっている。
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