2023年卒の就職活動が進んでいる。コロナ禍の就活も今年で3年目となるが、幸いにして企業の採用意欲は底堅い。マイナビの調査では3月末時点で全体の26.4%(前年比4.9pt増)の学生がすでに内定を持っている(マイナビ2023年卒大学生活動実態調査/4月7日)。もちろん、内定を獲得した学生のすべてがそのまま就活を終えるわけではない。未内定者の学生とともに第一志望の内定が出るまで就活を継続するケースが多い。
親の思いと子どもの意識に微妙な違い
しかし、たとえ第一志望の内定が出たとしても親の反対、いわゆる「親ブロック」にあって、志望企業への入社をあきらめてしまう学生もいる。今回は保護者世代と子ども世代の就職観の違いを整理してみたい。
2023年に卒業を迎える学生の保護者は、おおよそ30年前に就職活動を経験した人が多いだろう。30年前といえば1990年代前半で、ちょうどバブル経済のピークから、それがはじけていくタイミングにあたる。保護者世代も、比較的に楽に就活できたバブル崩壊前の世代か、就活で苦労した就職氷河期突入後の世代かで、認識に少し違いがある。
ただ、子どもの就職先に対する親の気持ちはいつの時代も変わりがない。
マイナビが2022年2月に調査した『就職活動に対する保護者の意識調査』によると、子どもが入社する企業の特徴として望むことは、「経営が安定している」が51.5%でトップ。2位の「本人の希望や意志に沿っている」(25.3%)とは、二倍近くの開きがある。
また、子どもに働いてほしい業界は「官公庁・公社・団体」がトップで、2位以下に2倍以上の差をつけている。さらに、働いてほしい企業については、公務員をはじめとして誰もが知る日本を代表する企業名が並ぶ結果となっている。保護者の「安定志向」を如実に反映した結果だ。
しかし、子どもの意識は文系学生を中心に異なっている。「マイナビ・日経 2022年卒大学生就職企業人気ランキング」(調査期間:2020年12月1日〜2021年3月20日)では、生損保業界、エンターテインメント系、出版など、保護者側のランキングにはない業界が入っている。
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