マクドナルドが高級路線?それは的外れだ 「グルメバーガーブーム」を追ってはいけない

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仮に時価総額で10億ドルという説が実現すると、ハイテク系のスタートアップ企業並みの価値があることになる。換算するなら、1店舗につき3700万ドル、2013年の収益540万ドルの185倍、売上高1億4000万ドルの7倍にあたる。たとえその半分だとしても頭がくらくらするような金額だ。

というわけで、シェイク・シャックはウォール街で行列ができる店になりそうなのだ。

ウォール街で不評のマクドナルド

ウォール街で人気が低迷しているマクドナルド(Harry Campbell/The New York Times)

ではマクドナルドはというと、株式の時価総額が900億ドル。世界100ヵ国以上に展開し、店舗総数は3万5000超。だがウォール街はこのマクドナルドを見下している。

外食産業各社の中で、マクドナルドの価値はずっと低く見積もられているのだ。S&PキャピタルIQのデータによると、予想EV/EBITDA(利払い前税引き前償却前利益)倍率がメキシコ料理チェーンのチポトルは26.5倍、シェイク・シャックはIPOで10億ドルの時価総額が実現するなら300倍以上。それに比べてマクドナルドの予想EBITDA倍率は10.3倍という最低水準にある。つまり、ウェンディーズ、レッド・ロビン・グルメバーガーズ、バーガーキング(買収したドーナツのティムホートンズも含む)、ヤム・ブランズ(傘下にファストフード5チェーン)よりも低い評価を受けている。

確かに最近マクドナルドはあまりウォール街を喜ばせていない。2014年11月の既存店売上高が米国で前年同月比4.6%、世界では同2.2%、それぞれ減少したと発表している。しかも国際市場で困難に遭遇してきた。ロシアでは政治問題の影響で店舗閉鎖を強いられ、中国では原料の牛肉の安全問題のために売り上げが減った。

シェイク・シャックをはじめ、チポトルのようなクイック・カジュアルのチェーンが愛されるこのごろ、マクドナルドが同じ波に乗らなければと焦ったとしても不思議ではない。金融情報サイトのザ・ストリートには最近、「苦戦中のマクドナルドがシェイク・シャックとファイブ・ガイズから学べること」という記事が掲載された。また財務情報サイトのマーケットウォッチには、「マクドナルドが助けたシェイク・シャックの株式公開」という記事が載った。

これらの記事を読むと、あたかもマクドナルドはシェイク・シャックやチポトルのようなファストカジュアルのチェーン各社によって、歴史のゴミ箱に放り込まれそうだという気がしてくる。

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