Jacques Attali 1943年アルジェリア生まれ。81年仏大統領特別顧問、91年欧州復興開発銀行総裁など要職を歴任。「欧州最高の知性」と称されるフランスの知識人。著書に『海の歴史』『2030年ジャック・アタリの未来予測』『21世紀の歴史』『国家債務危機』など多数。（ロイター/アフロ）
1991年のソ連崩壊や2008年の世界金融危機、2017年の米トランプ政権誕生などを予言した欧州の知の巨人、ジャック・アタリ氏に、世界に突きつけられた2022年の課題を聞いた。
──2022年の世界をずばり予測してください。
2022年の最も重要な出来事は、気候変動による深刻な被害だ。アフリカや南アジアで暮らす人々の暮らしが、非常に困難になるおそれがある。また大量の移民も挙げられる。すでに世界各地で散見されるように、大量の移民が先進国に押し寄せてくる。
さらに遺伝学、AI（人工知能）、神経科学、ナノテクノロジーなどの分野での驚異的な技術進歩、米国の国際舞台からの漸次撤退、終息とは程遠い新型コロナウイルス感染症の動向、新興国でのワクチン接種の進捗、インド、イラン、ブラジルの政情不安、東アフリカ地域での内戦の勃発、世界金融危機のおそれなどにも注目している。もちろん、これら以外にも世界各地で予期せぬ出来事が数多く起こるだろう。
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