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「規制強化ではなく、競争力向上への法制化だ」 経済安保|経済安全保障担当大臣 小林鷹之

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こばやし・たかゆき 1999年東京大学法学部卒業。同年大蔵省(現財務省)入省。03年ハーバード大学ケネディ行政大学院修了(公共政策学修士)、財務省国際局国際機構課係長、10年財務省退職、公募を経て自由民主党千葉県第二選挙区支部長就任。12年衆議院議員初当選。16年防衛大臣政務官。21年岸田内閣が10月に発足し、経済安全保障担当大臣 内閣府特命担当大臣(科学技術政策、宇宙政策)に 。(撮影:今井康一)

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岸田内閣の目玉政策の1つである「経済安全保障」。2022年1月召集の通常国会での法制化に向けて準備室が設置され、18人の有識者会議もスタートした。経済安保の制度設計に向けた議論は、半導体製造や先端技術開発、中国問題など民間企業の成長戦略にとって重要な戦略的テーマが多い。初の所管閣僚に就いた小林鷹之・経済安全保障担当相に法制化への課題などについて聞いた。

──経済安保の基軸となる、政府としての考え方や目的は何ですか。

今回の新型コロナ禍ではサプライチェーンの脆弱性や国産ワクチンがなぜ出てこないのか、あるいは半導体不足など国民生活を脅かす問題が噴き出した。従来型の伝統的な安全保障だけでは、国民の命と暮らしを守り切れない。諸外国の動きに左右されず、日本政府として、国家として体系立った考え方をしっかりと整理していく必要がある。

その際に重要な大きな方向性は3つ。1つはサプライチェーンの強靭化や基幹インフラの信頼性確保などを通じて経済構造の自律性を向上させること。日本が抱える脆弱性をしっかりとあぶり出して把握し優先順位をつけて対応していく。2つ目は人工知能・量子などの重要技術の育成に取り組み、日本の技術の優位性・不可欠性を確保すること。今後の社会の趨勢を見据えて、日本が強みを持ちうる分野を見極めて強化していく。望ましいのは世界が日本を必要とせざるをえない分野を戦略的に拡大していくこと。その結果として国際社会の中で日本のプレゼンスが高まり、国際秩序の維持・強化に向けたルール形成に主体的に参画していくことが3つ目だ。

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