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「新型コロナと異例の株高に備えろ」 不確実性|仏パリ経済学校教授 ダニエル・コーエン

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Daniel Cohen 1953年チュニジア生まれ。エリート校であるパリ高等師範学校の経済学部長。2006年には経済学者のトマ・ピケティらとパリ経済学校を設立し、教授に。専門は国家債務。著書に『経済成長という呪い』など多数。(Abaca/アフロ)

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欧州を代表する経済学者、思想家である仏パリ経済学校のダニエル・コーエン教授。2022年の世界経済について、新型コロナウイルスの感染者数に左右される各国経済の短期リスクと、中央銀行の金融緩和による株式市場の不確実性の高まりを指摘する。

──新型コロナ禍の各国政府の経済対応をどのようにみていますか。

今回のコロナ危機で国は、交通機関などの公共空間だけでなく、例えば学校の一斉休校の決定など家庭や職場などの私的空間にまで踏み込んで対策を講じなければならなかった。国民と企業、そして医療従事者という民間セクターと共同で対策を講じる必要があった。その結果、GDP(国内総生産)と雇用において、先進国の経済活動は驚くべき回復力を示した。新型コロナ感染症による今回の危機は、最も深刻だったが、最も短期間で終わった危機として歴史に刻まれるだろう。

驚異的な回復力の第1の要因は、政府の巨額な財政出動だ。ほとんどの先進国では新型コロナ禍による購買力の喪失を回避するために、巨額の財政出動をした。これは従来の経済危機時の対応と大きく異なる。というのも、従来の経済危機ではケインズが説いた投資家の「アニマル・スピリット」の現象がはっきり現れた。危機によって人々は悲観的になり、投資と雇用が激減し、深刻な危機へと変化するというメカニズムが作動した。

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