
ようろう・たけし 1937年生まれ。東京大学名誉教授。人間の問題や社会現象を、脳科学や解剖学の知識を交えながら解説。89年『からだの見方』でサントリー学芸賞受賞。『バカの壁』で毎日出版文化賞特別賞受賞。著書に『唯脳論』『身体の文学史』など。12月に『ヒトの壁』を出版した。(撮影:今井康一)
コロナ禍は日本の社会をどう変えたのか。ポストコロナ時代の上手な生き方とは……。解剖学者で、当代きっての論客である養老孟司氏に聞いた。
──大病を患ったということですが、この2年はどう過ごしていましたか。
だいぶ緩い感じで過ごしました。ゆったりとね、歳も歳ですから。ペンディングになっていた仕事が秋ごろからは元に戻ってきたが、少し体力は落ちた。しみじみとそう感じる。動かなかったからか、病気を患ったからなのか……。
──コロナ禍の世の中をどう見ていましたか。
みんな、「これでいいんですか?」と立ち止まって、世の中のことを考える時間を持てるようになった。僕が理不尽だと思うのは自殺問題や虐待問題です。10代、20代の人たち、30代の若い人たちが命を落としている。
今の子どもは大人への準備だけ進めているように見えます。まるで小さな大人。親がどういう学校に入れて、どういう職業に就かせてみたいなことをやっているから、子どもが本来の子どもとして存在しなくなっちゃった。
みんなで手抜きをしたそのツケが回ってきた
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