有料会員限定

「資源価格の高騰が発した過小投資リスクへの警告」 エネルギー|IHSマークイット副会長 ダニエル・ヤーギン

✎ 1〜 ✎ 10 ✎ 11 ✎ 12 ✎ 最新
拡大
縮小
Daniel Yergin 1947年生まれ。米イェール大学卒業、英ケンブリッジ大学で博士号取得。エネルギー問題の権威として米エネルギー省長官の諮問委員会委員などを歴任。著書に『石油の世紀』(92年にピュリツァー賞)や2020年の新著『The New Map : Energy, Climate, and the Clash of Nations』など。(Getty Images)

特集「2022年大予測」の他の記事を読む

激動を続けるエネルギー市場。2022年にはどう展開するか。エネルギー問題の世界的権威で、国際的な情報分析会社IHSマークイットの副会長を務めるダニエル・ヤーギン氏に聞いた。

──21年はエネルギー価格の高騰が世界経済を揺るがしました。

石油に端を発しなかったという点で特異なエネルギー危機だった。コロナ禍からの経済回復と、中国経済過熱による石炭の不足から始まった。それは欧州でのLNG(液化天然ガス)需要増大へつながる。北海で風が弱く、欧州の風力発電も低迷した。これらが価格を想定外に高騰させ、欧州とアジアでのエネルギー危機を招いた。

石油は、天然ガスからの代替需要や、中期的な需給引き締まり観測から追随して値を上げた。

──22年はどう予想しますか。

石油価格でいえば、1バレル当たりおよそ65〜85ドルの範囲で推移するとみている。100ドル乗せという見方も1カ月ほど前にはあったが、消費国の戦略備蓄放出や、新型コロナ変異株(オミクロン株)の出現で状況が変わった。

関連記事
トピックボードAD
連載一覧
連載一覧はこちら
トレンドライブラリーAD
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
特集インデックス
2022年大予測
ネット配信|ネットフリックス共同CEO テッド・サランドス
チャレンジ|東京五輪スケートボード金メダリスト 堀米雄斗
闇の正体|作家 桐野夏生
脱成長|解剖学者 養老孟司
オミクロン|獣医師・博士(獣医学) 水谷哲也
資本主義|日本総合研究所理事長 翁 百合
エンパシー|ライター・コラムニスト ブレイディみかこ
人材活性化|サントリーホールディングス 社長 新浪剛史
性差と賃金|日本労働組合総連合会 会長 芳野友子
経済安保|経済安全保障担当大臣 小林鷹之
エネルギー|IHSマークイット副会長 ダニエル・ヤーギン
格差と分断|米シカゴ大学ブース・スクール・オブ・ビジネス教授 ラグラム・ラジャン
生き方|アンドリュー・スコット×リンダ・グラットン×平野未来
人生哲学|日本電産会長 永守重信
持続可能性|日本経済団体連合会会長(住友化学会長)十倉雅和
不確実性|仏パリ経済学校教授 ダニエル・コーエン
世界の課題|経済学者・思想家・作家 ジャック・アタリ
池上彰が先読み
2022年大予測
108テーマで未来の激変をすべて先読み!
国内外の主要スケジュール
2022年 中国と選挙、金融に大注目!
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT
有料法人プランのご案内