
きりの・なつお 1998年『OUT』で日本推理作家協会賞、99年『柔らかな頬』で直木賞、2003年『グロテスク』で泉鏡花文学賞、04年『残虐記』で柴田錬三郎賞、08年『東京島』で谷崎潤一郎賞、10、11年に『ナニカアル』で島清恋愛文学賞と読売文学賞など受賞。ほか著書多数。21年に日本ペンクラブ会長に就任。(撮影:今井康一)
社会の闇、人の心の闇を丹念に描き出すのが桐野夏生氏である。この国が抱える闇の正体とは……。桐野氏に聞いた。
──コロナ禍の社会をどうみていましたか?
非正規の方が仕事を失ったり、飲食業が閉店せざるをえなかったり。オンラインで仕事をする大企業の人とは随分差があるなとみていました。欧州のようにロックダウンで、社会が一斉に停止するほうがフェアだと思う。法の問題といわれていますが、リスクに対する考え方も違うのでしょうね。しかし、国家権力が強制力を実行に移すことで、流行病が収まっていくのを見ると、不安もあります。
都市も変わらざるをえないのでしょうか。一極集中の問題があらわになりました。稼働率の悪いビルが売られたり、地方に移住する人も多かったりすると聞きます。一方、高齢化、過疎化する地方を見ていると、一極集中化が簡単に解決するとも思えません。
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