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「未来に向けてありうる自己像を探求しよう」 生き方|アンドリュー・スコット×リンダ・グラットン×平野未来

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『LIFE SHIFT2』の著者2人とシナモンの平野未来社長CEOによるトークイベントを実施した。人生100年時代に向けて個人や企業が何をすべきかを語り合ったイベントの内容を紹介する。

トークイベントはオンラインで実施。左上は司会の東洋経済・倉沢美左

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──パンデミック後の日本で、価値観や人生における優先事項はどうあるべきでしょうか。

アンドリュー パンデミックが私たちに「健康」の価値を教えてくれた。GDPが減少すること、収入が減ることは覚悟していた。本当に大切な価値観の1つは何歳になっても健康でいること。そのためには企業や政府によるサポートが必要だ。経済的、精神的な面でレジリエンスの必要性も学んだと思う。今は重要なことが何かを探し、それに集中するチャンスだ。

著者、ロンドン・ビジネススクール 経済学教授  アンドリュー・スコット(Andrew Scott)英ロンドン・ビジネススクール経済学教授、米スタンフォード大学ロンジェビティ(長寿)センター・コンサルティング・スカラー。ロンジェビティ・フォーラム共同設立者。英国予算責任局アドバイザリーボードと英内閣府栄誉委員会のメンバー。邦訳著書に『LIFE SHIFT』『LIFE SHIFT2』(リンダ・グラットンとの共著)。(撮影:今井康一)

リンダ 日本人の働き方がガラッと変わったことに驚いた。例えば、富士通ではたった1週間で6万人が在宅勤務を始めた。富士通をはじめ、多くの日本人経営者が私に言った。「もう、従来の働き方に戻ることはないだろう」と。

これはライフ・シフトにとって、すばらしいことだ。本にも書いたように自分の人生に自主性と柔軟性を持つことが非常に大切だからだ。人間の習慣が変わるには、最低でも12週間かかるが、パンデミックが生じてすでに1年半が経過した。私たちは自分の働き方、お金に対する見方を変え、生きがいについて考えるようになった。

著者、ロンドン・ビジネススクール 経営学教授 リンダ・グラットン(Lynda Gratton)英ロンドン・ビジネススクール経営学教授。人材論、組織論の権威で、2015年に同校の卓越教育賞を受賞。世界で最も権威ある経営思想家ランキングであるThinkers 50では、世界のビジネス思想家トップ15にランクイン。2018年には安倍晋三元首相が「人生100年時代構想会議」のメンバーに任命。著書に『ワーク・シフト』など。(撮影:尾形文繁)

平野 「毎日会社に行かなければならない」という日本人の価値観は新型コロナで変わってきていると感じる。これからは自分の価値観を持つことも必要だ。私の場合、2〜3年前に、やっと自分の物語(生きがい)を見つけられた。また、5年ほど前、若い日本人女性が働きすぎのために自殺したというニュースを聞いて、悲しみと怒りを感じ、私は日本の働き方を変えなければならないと思った。

シナモン 社長CEO 平野未来(ひらの・みく)シナモン社長CEO。2008年東京大学大学院修了。学生時代にアプリ開発のネイキッドテクノロジーを創業し、2011年にミクシィに売却。2012年にシンガポールでシナモンを創業、2016年に日本法人を設立。2021年に政府の経済・財政一体改革推進委員会委員、新しい資本主義実現会議有識者構成員に就任。(撮影:梅谷秀司)
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