(第43回)プロの採用コンサルタントが教える、ほかでは絶対聞けない実践的就職勉強会(2) OB/OG訪問による就活成功法

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(第43回)プロの採用コンサルタントが教える、ほかでは絶対聞けない実践的就職勉強会(2) OB/OG訪問による就活成功法

佃 光博

 前回は、2010年12月9日に開かれた「プロの採用コンサルタントが教える、ほかでは絶対聞けない実践的就職勉強会」を紹介し、「自己分析は必要ない」「採用側から見たスケジュール」、そして「会って話す就活によって自分軸を作る」という寺澤の考えを紹介した。世に流布している就活マニュアルと異なる主張だが、採用担当者のほとんどは就活マニュアルに毒された学生を嘆いている。私服のときはそれぞれが個性を持っているはずだが、いったんリクルートスーツを着ると、みんな同じ「就活人格」になってしまう。そして同じような方法で行動する。そういう就活を採用担当者は嫌っている。

 ところが、人事のホンネはなぜか学生に届かず、無駄な時間を使っている。そんな就活の現状を正そうというのが、寺澤の意図だ。早くこのことに気づいてくれれば、まったく違う就職活動を送ることができるはずだ。

 さて今回は、もう少し議論を深め、社員と会うための方法、OB/OG訪問、多様な価値を受容する企業の見つけ方、採用担当者の判断基準などに踏み込んでみる。

●プレエントリーは急増したが、OB/OG訪問する学生が少なすぎる



 寺澤は「採用側の視点」を知ることの重要性を強調する。相手(企業)を知ることで、就活生はマインドシフト(就職に対する考え方を変える)できるからだ。では企業はどのような能力を持つ人材を求めているのだろうか?
 人間にはいろいろな能力があるが、HRプロが行った「採用する大学生に求める能力」アンケートではトップが「コミュニケーション能力」で、2位は「前に踏み出す力」だった。

 ところが「最近の大学生の下がっていると思う能力」を質問すると、採用に当たって最も重視する「コミュニケーション能力」と「前に踏み出す力」の評価が最も低い。つまり、この2つの能力を人事担当者は期待しているが、その期待を学生が裏切っていると読める。

 実際の就職活動で確認してみよう。HRプロが就職口コミサイト「みんなの就職活動日記」と共同で行ったアンケート調査によれば、プレエントリーは圧倒的に増えている。自宅や大学のパソコン、携帯電話から安易にプレエントリーできるからだろう。
 ところが実際に企業に行き、社員に会って話すOB/OG訪問になると、6割以上が0社だ。100社以上にプレエントリーする者もいるのに、企業訪問している学生はひどく少ない。
 もちろん学生は「OB/OGがいない」「大学が紹介してくれない」など、「できない」「しない」と理由を言うのだが、そんなことは理由にならない。入社して「お客さんが会ってくれない」では通用しない。

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